手づくりハム・ソーセージをフードサービス業務用へ販売

2013/05/25 16:44 に 松本リサ が投稿
どういったルートに販売をするかである。いつもは固定客に、いつも変わらない製品を販売する「データベースマーケティング」を実行し、一番大事な固定客をつかんでおくことが、手づくりハム・ソーセージにとっては重要なことである。と同時に、世の中、マーケットというものは常に変化をしているので、本来の販売を維持しながら、新しいマーケットも常に捜しておかなければならない。現在は店に来てくれる顧客への販売が主でも、将来通信販売や、職域販売に変わっていく可能性もある。

今の消費者は、どんどん料理をしなくなってきているので、加工食品の伸びが大きいが、さらに新しいニーズでは、加工した食品から、すぐに食べられる惣菜、外食のマーケットにどんどん変わってきている。こういった背景にも配慮しながらマーケティングを進めていかなければならない。

販売チャネルは、大きく分けると3つになる。

1、業務用マーケット 2、小売りマーケット 3、通信販売マーケット このうち、小売りとして、自分の店での販売や、スーパーマーケットへの卸売販売は最も基本的な方法である。また、通信販売では、中元、年末年始での集中したギフトのマーケットが多い。しかし、これ以外でもこれから注意しておかなければならない販売チャネルは多い。

その一つは、業務用マーケットである。ホテル、レストラン、レストランでも、高級レストランもあるし、ファミリーレストランもある。ファーストフード、弁当チェーン、コンビニエンスストア、サンドイッチハウスなど、業務用のマーケットは多数ある。

業務用マーケットは今までは低価格で多量を使うという業態で、ここに手づくりハム・ソーセージのニーズはあまり無かったのだが、この数年の間に大きく変わってきている。顧客は有機農産物や、無農薬、無添加といった食材、食品を欲しがるようになってきた。顧客のニーズと同時に、販売者側も競争相手と差別化する意味で、積極的に導入できるものから導入した結果、「ナチュラル食材ニーズ」とでもいうマーケットが急成長してきている。

ファミリーレストランでも有機野菜のサラダをメニューに入れ、ヒットしている。以前はチェーンレストランでは、一部の野菜だけを有機にしたら、その他の野菜が疑われるので、有機野菜の部分的導入には否定的であった、ところが、スカイラーク系のファミリーレストランがホウレンソウ、トマト、キュウリ、レタスなどから導入を始めたら人気が出始め、今ではほとんどのレストランチェーンで有機野菜を導入している。最もポピュラーなのは「有機野菜のサラダバー」といったものである。

ファミリーレストランだけではない、ファーストフードでも同じである。モスバーガーではハンバーガーなどに使う野菜を段階的に有機野菜に変えていき、将来は全て有機野菜にする、という方針である。他のファーストフード企業でも同じような有機の方向を打ち出していて、原材料の確保に走っている。

弁当や惣菜ショップでも同じである。デパートに入っている惣菜ショップではいち早く有機食材を使い始めており、「有機」そのものを売り物にしている。これが有名デパートに続々と入り始めている。また、東急と自然食材の宅配企業が共同で、自然食材だけを扱った小売店舗も出すようになっている。従来生協が安全食材を扱うところだったのだが、現在ではあらゆる業態がナチュラル食材の導入を始めている。

こんな中で手づくりハム・ソーセージは、野菜などの基本的ナチュラル食材の次に出て来るもので、これから新しい販売チャネルとして活発な導入のブームがやってくるのではないかと思う。

ハム、ソーセージは、従来は添加物の固まりみたいに見られていた面があるが、この数年の間にナチュラルにできるだけ近いものを作るようになってきた、そのおかげで手づくりハム・ソーセージといわれると、より無添加に近い、というイメージが出てきている。実際手づくりハム・ソーセージで添加物が多いものはほとんど無いだろう。思想の根幹として、手づくりイコール無添加、あるいはそれに近い、という認識になっている。

手づくりハム・ソーセージをフードサービスへの販売を考える場合、量的なものが最初に心配になる。大量に均質なものが出来ない、という問題である。だから手づくりなのだから。しかし、フードサービスといっても超大型企業ばかりではなく、地方でチェーン化をしている企業も多い、また、レストランでも、高級なレストラン、独立レストランは、どんな都市に行ってもある程度のマーケットを持っている。弁当や惣菜にしても同じである。そういったところが新しい手づくりハム・ソーセージの販売チャネルになる。

手づくりでは均質なものが出来ない、という問題もあるが、これは逆である。均質でないから、手づくりがそのまま商品を見ただけで理解できるのである。大手企業では均質なものでないと使えないところが多い。形、重量、色など、そろっていなければならない。例えば長ネギにしても、青い部分と白い部分の割合が一定していて、青い部分は先が3つにわかれていて、全体の長さも同じでなければならない。このことが味、美味しさには影響をしないのだが、そうでないと使えないという。これは、作業や物流から来ている。

物流させるために、作物は箱に入れる。箱に入れるときちんと車両に積むことが出来るので、物流の効率がいい。販売店では、台車に乗せやすいし、形がそろっているとスーパーマーケットでの陳列作業がやりやすく、崩れにくい。プラスチックのトレーに入れやすいし、バックルームでのカッティングなどの加工もマニュアルかがしやすいからである。

しかし、手づくりハム・ソーセージをフードサービスの業務用チャネルに販売するにはそんな心配はない、むしろ不格好なほうが手づくり性が見える。例えば骨付きハムをレストランに売ったとする。レストランではそれをどうするかというと、「カービングサービス」といって、ハムそのものを客席までもっていき、その場でスライスして顧客の皿に乗せる、ということが出来る。この提案をこちらから提案もしたらいい。

最近の結婚式などのパーティーマーケットも十分にある。骨付きハムを一本パーティーのイベントに使うのである。最近の結婚式は決められた形を嫌がり、独自の企画で行うものが増えている。披露宴も結婚式場ではなくレストランを借り切ってやるのも多い、そのほうが美味しいものが安く食べられるから、招待客も喜ぶ。そんなパーティーで骨付きハムが一品出てきて、各テーブルにスライスしながら分ける、等というアイデアを持っていったらどうか。立食パーティーでは、模擬店が出る。この店の一つに骨付きハムはどうか。そんな場でもしソーセージをケーシングしてその場でボイルしたものを食べてもらう、等という企画があったらどうだろうか。

手づくりハム・ソーセージを中小のフードサービスの業務用チャネルに売り込むことは、十分にできる時代である。手づくりハム・ソーセージは個人の客に、という発想を転換して、業務用チャネルへの販売を考えたらどうだろうか。最も、今までの売り先をおろそかにしてはいけないことを忘れないように。今までの売り先は、基本なのである。


鶏卵肉情報センター「養豚情報」97/2月より
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