手づくりハム・ソーセージのインターネット通販

2013/05/25 16:34 に 松本リサ が投稿
手作りハムソーセージをインターネットで通販するのが急増している。インターネットをご存知無い方に簡単に説明をすると、インターネットはもともと米国の政府や研究機関が使いだし、更に世界中とのネットワークに使っていたのだが、一般の人が使いやすいソフトウエアが出て来たところから、一昨年あたりから趣味、娯楽にも使えるようになり、急速に普及してきている。インターネットを趣味や娯楽で使うには主として2つの手段がある。一つは電子メールで、手紙を電子的にやり取りできる。ただの手紙のやり取りだったら郵便やファックスとたいした変わりはないのだが、電子メールというのは非常に早くて価格も安い。早さでは、出した途端世界中のどこでも瞬時に着く。価格的には、場所を選ばず、市内の電話代だけである。東京から東京に電子メールを出すのも、東京からニューヨークに出すのも、着く時間は瞬時で、どちらも10円の費用だけである。そしてこれを管理するコストは一番安い方法では月に2千円もあれば十分に足りる。

もう一つは「ホームページ」と呼ばれるもので、分かりやすくいえば「掲示板」のようなものが電子的に世界中のユーザーの間でやり取りできるようなものである。「掲示板」を自分で作って出すことも出来るし、世界中の掲示板を暇つぶしに、あるいは情報を探してあちこち見ることも出来る。政府の公報文書もあるし、釣りだのスキーだのといった趣味の情報もあるし、企業の会社案内もある。最近求人情報を企業がインターネットで始めているというのはこのホームページのことである。そしてこの中に「ショッピング」があるのである。

ショッピングでは、コンピュータも買えるし、書籍も、食品も、あらゆるショッピングのコーナーがある。この中に手作りのハム、ソーセージを売っているし、食肉も売っているところがある。ショッピングコーナーの対象になる顧客は、コンピュータの好きな一般の人、ということになる。インターネットの利用者は世界中で数千万人、日本だけでも数百万人ということであるから、数字だけ見れば大変なことである。それだけの人たちに「掲示板」を見せることが出来ることになるのだから。では、ショッピングコーナーはうまくいっているのかというとそうではない、一部、売り上げを上げ、成功しているところもあるが、大体はそれほど売れていない。

売れているところは、例えば洋書の販売である。インターネットは研究者が大体使っているが、特に地方の研究者は洋書を手に入れようとしても、大都市の書店でしか注文できない。時間もかかるし、価格も高い。そこで広島の企業が洋書をインターネットで注文できるようにし、価格も安くし、時間的にも早く届くようにしたところヒットした。そのために大手の書店などが相次いで参入をして、今では競争になっている。売れるとわかれば皆群がってくるのである。

さて、肉、ハム、ソーセージはどうかというと、ヒットしているという話は聞かない。大体のところは「ぼつぼつ」といったところなのではないだろうか。大体の販売方法は、地方の肉店、加工肉のメーカーが、商品紹介と販売のホームページをもち、そのホームページを見た人が興味があれば注文をする、というシステムである。これは、たのあらゆる商品販売も同じである。

インターネットの商品販売では、顧客にそのホームページを見てもらわなければ話にならない。いくら数百万人の潜在顧客がいても、皆見てくれるわけはない、それどころか、何もわざわざ買い物のためにコンピュータを買う人もいないだろうし、ソーセージを買うのに、どんなソーセージがインターネットで売っているのか、等と見る人もいないだろう。インターネットで商品を販売するには、まずそのホームページが魅力的でなければならない。あるいは、魅力的な商品が無ければならない。それがあったとして、そのホームページを宣伝する手段が無ければならない。ホームページを宣伝するには「サーチエンジン」と呼ばれる検索のページに登録をしなければならない。これは、どこに、どのようなホームページがあるのかを検索するもので、電話帳のようなものである。「エンターテイメント」「ショッピング」といった分野別に調べる方法と、「ソーセージ」「ハム」といったキーワードで探す方法がある。これに自分のホームページを登録するのである。登録するサイトもいくつもあり、それぞれに登録するのも結構手間が掛かるが、これをやらないとだれもみてくれない。

このようなものなので、ただホームページを作ってもなかなか商売にはならない。売れるようにするためには、何らかの特徴や、話題性が無ければならない。例えばアトピーに対応しているということで有名になるとか、何らかのこだわりがあるとか、たにはないものだとか、大きな目立つものが必要になる。言い方を変えると、その商品が新聞の話題になるぐらいのものが無いと、大きな商売にはなっていかないだろう。逆にもしとてもいいものを持っている商品ならば、インターネットのニュース性というのは大変なものがあるから、広く知れ渡ることも出来る。

インターネットの食品の販売を見ていていつも思うのだが、どの販売も、セット、ギフトといった、一つの商品が数千円もするものを売ろうとしているので、まるでデパートでお歳暮を売っているようになってしまう。しかも、ほとんどのホームページでは一つのメーカーのものしかないので、そのメーカーのものしか買えない。これでは、デパートに行っていろいろのメーカーのものを見たほうがいい。あるいはカタログショッピングの方がいい。食品の販売では、リピートが重要である。気軽に定期的に買えることが必要である。この点で今の多くのインターネットでの販売はうまく行かないだろう。ではどうしたらいいかであるが、顧客の便利さからいうと、こだわりのある、あるいは安全性など、多くの顧客が納得する商品を、多くのメーカー、多くのアイテム、気軽に買えるようにすることである。いい食品を売っている店をそっくりそのままインターネットのホームページに入れ、店で買い物をするように買えるシステムにしなければならない。

肉やハム、ソーセージの販売では、特徴のあるあらゆるハム、ソーセージが、多くのメーカーから出されていて、それを一覧してみることが出来、どの製品もチョイスすることが出来、買う単位も例えば百グラムからかうことが出来る。オーダーしたら二日後には届く。支払いも簡単。といったシステムが必要だろう。顧客側からいえば、何で肉類だけなのか?魚も、野菜も、一般食品も、全部一緒の方がいい、ともなってしまうだろう。このような方向で進めるためには、メーカー同士が協力してホームページを持つとか、それをまとめるところが必要になる。いずれ、このような販売システムも出て来ることだろう。

鶏卵肉情報センター[養豚情報」97/2月号より
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