セールの方法

2013/05/25 7:16 に 松本リサ が投稿
惣菜、デリでは、売りきるために、閉店時間近くに価格を下げる方法が普通に行われている。しかし、マンネリ化しているし、在庫処分というものから抜けないで、積極的な販売拡大にはなっていない。そこで、デパートや量販店で行なわれているセールはどのようなことをやっているのか、米国での例も含めてみてみる。これを、惣菜、デリ、外食業のセールのどこか取り入れられないかの参考にして欲しい。


ディスカウントセール


最もイージーなものだが、効果もある。安い商品を集めて一度に販売する。「安いけれど良くなかった」と言われてしまったら、かえってお客様の不評を買うことになるので注意が必要である。惣菜、デリの閉店近くの売り切りもこれだ。


クリアランスセール


在庫処分である。日持ちのするもので、在庫を一気に無くしたいときや、季節のものを売り切ってしまいたいときなどに行なう。

缶詰などの場合、缶のまま売るのではなく、缶をあけて、中身をユニットプライス(100グラムいくら)で販売するとよく売れる。また、缶をあけて、調理をしたり、メニューに組み立てれば、クリアランスセールを行なわなくても、利益を取って売り切ることが出来る。これを行なうにはメニューを作れるセンスと技術が必要である。


シーズンセール


シーズン(季節)の”旬”を売る。夏は燒肉やバーベキュー、冷たいメニュー。冬は鍋ものなどの温かいものなど。このセールを行なうには、売り場に「コーナー」を設ける。夏ならば「スタミナコーナー」「夏バテ防止コーナー」「涼しくなるコーナー」冬ならば「体が温まるコーナー」「スープコーナー」といったものである。店が大きければ特別な販売ケースを持ってきて出来るが、そうでない場合には既存の売り場の真ん中などの一部を使ってコーナーを作る。


アニバーサリーセール


記念日とか誕生日のセールである。「開店一周年記念」「創立30周年記念」といったものが普通であるが、ほんの小規模でも出来る。米国などでは「店長の誕生日のため特売」とか「マネージャーの誕生日だから」といった単純な理由でもやる。実にアメリカ人らしいセールだが、親しみのあるセールである。


ボックスセール


「一箱いくら」のセール。日本で一般的に行なわれているのは年末のミカンなどである。ディスカウントストアがよく行なっているが、デリ、惣菜でも出来ないだろうか。


バルーンセール


バルーンは風船だが、景品付きのセールである。メーカーが大規模に行なうことが多いが、店単位でも、「アペタイトセットを買ってくれたお客様に、ティッシュペーパーをプレゼント」といったように出来る。


バンドルセール


一束いくらである。ソーセージやサラミなどを2本、3本束ねていくら、サンドイッチと飲み物をセットで、今日はいくら。缶飲料を3本で価格は2本分、といった方法である。


レディウスセール


数と期間を決めて次第に安くする方法である。例えば10ケースのレトルトスープがあったとする。これを「1日目には100円で売ります。2日目には90円で売ります。3日目には80円になります。4日目には70円です。5日目には60円。6日目には50円。」とやる。そうすると、最初の日には買う人はまずいない。2日目になるとそろそろ買い出す人が出てくる。3日目になると「無くなったら大変」と売れるスピードが早くなり、うまくいけばこれでなくなる。商品の魅力によって売り切れるスピードが決まってくる。


キャッシュセール


キャッシュバックセールはよくやられるが、「今買うと、2パックの価格で3パック買える」という方法もある。また、「100円均一セール」「500円均一セール」とか、「3パック1000円セール」もポピュラーである。


ホリデーセール


夏休みや正月休みのセール。


グランドセール


店頭販売。販売するだけでなく、「バーベキュー試食セール」のように、店の入り口で試食の肉のバーベキューをし、その肉を食べてもらってから店内に入ってもらうこともする。こうすると試食をした肉、ステーキなどが店内の売り場で売れる。

駐車場でもそうである。年末など大きくて重い商品を駐車場で販売する。例えばミカンのボックスセールを駐車場でやるとよく売れる。車にすぐに積めるから、買うほうも売るほうも楽である。


タイアップセール


自分の店以外の商品、例えば「今日のランチパックを買ってくれたら、となりの店の牛乳をプレゼント、とやる。商店街での店どうしの協力などでも出来る。


タイインセール


店で販売しているものを組み合わせる。例えばラーメンとゆで卵とか、ご飯と漬物といった具合。


ハローセール


店の近所の人へ呼びかける。大規模な店がオープンするときに、社員が店の周囲の家のドアを叩いてチラシを配ることを良くやるが、もっと小さい規模でも出来る。


バーゲンセール


季節の一番のピーク時に売り切ってしまう方法。季節が過ぎてからと思われがちだが、過ぎてからでは遅い。


クーポンセール


色々な形がある。レジで精算するときにクーポン券を渡す。このクーポンは、月末などの客数の多いときにレジで渡し、そのクーポンが使えるときは月初めなどにしたり、毎週少しずつ使えるようにして、出来るだけ店に来てもらえるようにすることを行なう。新聞広告やチラシなどにクーポンを印刷し、それを持ってきてもらう方法もある。

日本では出来ないが、米国では以前かなり激しい競争をしている中で「ダブルクーポン」というのがあった。これは、あるメーカーの商品をAスーパーが「このクーポンで10セント引き」というクーポンを配ったとする。Aスーパーに行けば当然10セント安くなるが、競争しているBスーパーが「ダブルクーポン」を仕掛けるのである。「そのクーポンをうちの店に持ってきてくれたら2倍(ダブル)引きます」つまり20セント安くなるのである。これがさらにエスカレートして「トリプル(3倍)クーポン」にまでなってしまったことがある。3倍安くなるのである。

このときに、3倍引くとその商品よりも安くなってしまうものが出てきてしまうことがあった。普通ならば他の商品と一緒に買うわけだから、レジでマイナスになることはないが、ヒューストンにすんでいるある日本人が、「トリプルクーポン商品だけを買ったら一体どうなるのだろうか?」と実行したところ、商品を買って、お金を払わずに、逆にくれたそうである。

さすがにこのトリプルクーポンは一時エスカレートした時に少し行なわれただけで終わったそうだが、米国というところは信じられないことが起こる国である。


ロードセール


店内の通路で行なうセール。マネキンの試食販売がそうである。


バジェットセール


予算セールである。夕食用に「4人家族で1000円でそろえられます」。500円コーナー、1000円コーナーもそうである。「3パック1000円セール」といったものもこれにはいる。


タイムセール


時間を区切って安く販売する。「今から30分間だけランチボックス500円」といった具合にやる。


アーリバードセール


アーリーバードは「早起き鳥」。朝市である。スーパーマーケットでよく行われる。


セールの名前は別に辞書に乗っていたり、定義が特別あるものではない。バイヤーや販促担当者などが勝手に名前をつけているだけある。また、独禁法で禁止されている場合もあるので理解しておいていただきたい。

これらのセールは、一つだけで実行できるものもあるし、いくつかを組み合わせて行なわれることもある。例えば「今から30分、サンドイッチ2パック500円のところを400円」となれば、タイムセールとバンドルセールの組み合わせになる。「開店1周年で、トンカツを買ってくれた人にサラダをプレゼント」ならば、アニバーサリーセールとタイインセールの組み合わせである。2つ、3つの組み合わせでセールを作ることが出来る。

総合食品「フードライフ」98/1月号より
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