R=リユース、リターン、リサイクル

2013/05/24 2:00 に 松本リサ が投稿
これは、資源、環境対応で、パッケージングや、物流システムになる。リユースは、もう一度使うことで、例えばミネラルウオーターなどの飲料で、容器を店舗に持っていき、それに詰めてもらう方式が出て来ている。スーパーマーケットでは、レジで渡される手提げ袋をもらわないで、顧客が自分で持っていくと、スタンプをくれ、それをポイントカードにすることは以前から行われていたが、先日は自治体が手提げ袋に対して税金をかけるところが出て来た。税金をかけられるならば自分で袋をもって行ったほうが良いわけで、これによって手提げ袋の削減を図るということが出来る。これはスーパーマーケットではなくて自治体が強制的に税金にするということが画期的である。リユースは消費者が自主的にもう一度使う、何度も使えるだけ使うということで、ボトル、瓶でも、ある程度の強度が必要になる。ドイツなどヨーロッパではペットボトルも厚いフィルムを使ったもので作り、リユース出来るようにした物がある。

リユースは消費者が自分で何度も使うのだが、リターンは、消費者がメーカーにもう一度使ってもらうために戻すシステムで、日本ではビール瓶、一升瓶が代表的なものである。コーラなどの清涼飲料水では初期からかなり長い間リターンシステムが出来ていたのだが、今では缶やペットボトルに変わってしまっている。環境対応に逆行してしまっているわけだ。生協などの共同購入では、酢、醤油など、リターン対応の製品がじわじわと増えてきている。

リサイクルは、戻して、壊して、再生することになるのだが、実はこれがもっともエネルギーを使うことになる。紙、新聞紙などはそのまま再び使うことは出来ないから、再生しなければならないが、ペットボトルやガラス瓶などは、洗うことでそのままリユースやリターンすることが出来る。ペットボトルを回収して、洗浄して、壊して、それを使って衣料などを作っているのは、確かにそのまま捨てるよりも十分に環境対応になっているわけだが、かなりのエネルギーを使っており、エネルギー対策として考えたら、どうなんだろうという意見もある。牛乳の紙パックを、洗って、ほぐして、煮て、それを使って葉書を作る、という活動をしている主婦がいるが、確かに意欲は良く理解できるし、人件費抜きで、趣味でやっている面もあるから、それはそれで良いのだが、鍋で煮て紙に戻すために、どれだけガスか電機かのエネルギーを使っているのかを考えると、見ていて純粋に絶賛はなかなか出来ないところである。

ということになり、日本ではリサイクルブームなのだが、その前に、リユース、リターンシステムをもっと考える必要があるのではないか。リユース、リターンに出来るだけして、それでもダメなら始めてリサイクルとなるのである。

食材を提供するメーカー、サプライヤーは、それがスーパーマーケットやフードサービス企業、店舗に行ったときに、どのようになっているかを考え、より環境に、そして安全性に対応したシステムにすることをこれからしこうして行く必要がある。というのは、スーパーマーケットやフードサービスと行った、消費者の一歩手前のユーザーサイドに食材が行ったとき、食材は裸ではなく、何らかのパッケージをしてある。ところがこのパッケージが、例えばダンボールだったら、そのダンボールに付着しているゴミやひょっとすると虫といった「異物混入」の原因になるものを排除するために、厨房や作業場に入る前に段ボールを外さなければならない。しかしながら、食材は何らかの包装をしていなければ、それ自体の安全性や品質面で問題が出る。そこをどうするか。資源環境対応と、品質安全の両立、ということになる。具体的には、段ボールをやめて、プラスチックのサンテナーにする方式もある。この場合サンテナーの洗浄という作業が必要になるのだが、これを供給側、食材提供者側がやるならば、リターン・システムということになる。この方式で始めたら、今度はサンテナーが戻ってこなくて、コストがあわないという問題が出てくることも多い、この場合はユーザーサイドの対応問題になってくる。ユーザーサイドがこの問題を解決できないから、相変わらずダンボールのまま、という所も多い。単純に机上のシステムを現場に合わすことが出来ないわけで、そこにはルールとか訓練、躾、教育、習慣、といったところまで突っ込んだものが必要になるわけである。

スーパーマーケットと消費者の間についてだが、例えばプラスチックトレーは、消費者が洗い、それをスーパーマーケットに戻す方式が出来始めている。しかし、衛生上の問題があるし、面倒だということもあり、一気に波及していない。ビール瓶のリターンにしても、家に保管しておくと虫が来るとか、置いておく場所が無いといったことで、簡便な缶ビールになってしまう家庭が多いのである。

ヨーロッパはリユース、リターンが進んでいるのだが、これは環境に対する考え方が進んでいるからばかりではなく、そのためのシステムも出来上がっていて、両輪効果で普及しているのである。環境対応を強力にバックアップしているシステムはデポジット方式である。製品を買うと、その製品を製造した企業の利益分を消費者は当然払うわけであるが、デポジット方式では、さらにそのパッケージされた瓶なり箱なりの再使用料、あるいは再生料も一緒に購入する、代金に入っている。そして、中身を使ってから外見のパッケージを店舗なりリサイクルボックスに持って行くと、支払ったデポジット金額が消費者に還ってくる、という方式である。この方式は日本でもビール瓶で定着しているわけで、これをもっと多くのものに使えばそれで良いだけなのだが、なかなかそうはいかないようだ。

スーパーマーケットやフードサービスではゴミを出すことがコスト増になってきてしまっているし、消費者もゴミで困っている。コストや場所だけでなく、衛生対策、品質対応、環境対応、ということがあり、それに対して、デポジットや何らかのメリット、あるいはルールや訓練といった対応策にバランスがとれたものがあり、上手く機能するようにできれば、普及していくのだが。この問題は、これからの製造業全部がアイデアを出さなければならないことである。要するに、中身だけが手に入り、ゴミが出なくて、コスト増にならなければそれで良いのだが?サプライヤー、メーカー、ユーザー一体で考えることである。これが出来たら、中身の製品自体は同じでも、外身の便利さとメリットで、それの方が売れる、という事態に当然なっていく、現在のパッケージシステムは、リターン、リユースするよりも、そのまま捨ててしまったほうが安い、という所から来てしまったわけなのだが、今度はその反対の方向に行くようにできれば、その流れに走り出すことになるかもしれない。リユース、リターンが、負担ではなく、メリットにすれば、普及する。
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