パレートの法則

2013/05/23 20:23 に 松本リサ が投稿
別名「8:2の法則」。

百人のセールスマンがいたら、そのうちの20人が80%の売り上げをあげている。という世の中の法則のことだ。

ある学者が数百匹の蟻の動きを観察していたら、ちゃんと働いている蟻もいるのだが、かなりの蟻がウロウロしているだけで特別これといった仕事をして居ないで、ほとんどサボっている状態だということを発見した。サボっている蟻と仕事をしている蟻の比率を知りたくて分けてみたら、8:2ぐらいだということがわかった。そこで今度は働いている2割のグループだけにしてしばらく観察してみたら、その中でもまたサボるのが出て来て、その割合はまた8:2だったという。

このことをマーケティングに当てはめてみると、2割のアイテムが、売り上げの8割をあげている、ということになる。自社の製品を分析してみると、大体そうなっているところが多い、それこそ8割の会社がこれに当てはまるのではないだろうか。

それなら売れていない8割のアイテムは無駄かというとそうではない、蟻の例でわかるように、これを外してしまったら8割の売り上げがなくなるだけでなく、残り2割のアイテムの中からまた売れない8割が出て来てしまうことになる。
売れない2割だが、これは無駄なものではなく、売れている2割を押し上げている役割を果たしている。
さて、この状態で、会社を伸ばすため、売り上げを更に上げるためにはどうしたら良いだろうか。

1.売れているアイテムをもっと売る

チェーン店の総菜売り場で「売れているものをもっと売る」活動をしてみた。
売れているアイテムをリストアップして、その中から更にこれといったアイテムに的を絞って、もっと売る方法はないかを検討し、実施してみたのだ。
8割の売り上げを上げている2割のアイテムを全て二倍売ったらどうなるかと考えたら、最高の効率で売り上げに貢献することになる。
選ばれた一つに豚カツがあった。揚げた豚カツをパックして小袋ソースを付けたのだが、良く売れる。どうしたらこれがもっと売れるか考えるために、いくつかの豚カツ屋に食べに行ってみたのだがなかなか良いアイデアが浮かばない。しかし、何店舗めかに気が付いた、豚カツそのものの味ではなく、どの店でもキャベツの千切りが料理に付いてきている。あたりまえだ。
そこで、豚カツパックにキャベツの千切りを一緒に入れてみたら、売り上げがぐんぐん上がっていった。これに気を良くしてチキンカツ、串カツにもキャベツを付けて売り出したら、カツ類の売り上げ全体が大きく伸びたのである。

2.8割の売れていないアイテムを観察する

売り上げで見たり、販売数量で見たり、いくつかの方法で分析してみると、最もビリっ欠に居たアイテムが、何週間の間にじわじわとランクアップしているのを見つけることがある。
あるチェーン店で、豚肉のスペアリブを売り出そうとしたら、年長の担当者が「そんな骨だらけの売ったら文句が来る」と言って反対したのだが、無視して売り出したらやっぱりあまり売れない。だいぶ以前だったので、スペアリブを知っている人がまだ少なかったのだ。しかししばらくしんぼうして続けていき、ランキングを数週間見て行ったら、少しずつ売れていっていることがわかった。そして半年ぐらいしたら、だいぶ上のランキングに成長していったのである。
そこで今度は鶏肉の手羽先の先を切り落として、残りを二つに割って「チキンスペアリブ」と言うネーミングで売ってみたら、しばらくしたらヒット商品になっていった。この当時「チキンスペアリブ」などというネーミングはどこにもなかった。ある料理の先生が「鶏肉にスペアリブなんて部位はない」などと石頭発言をしたりしていたのだが、冷たい目で無視して続けて成功したのである。

3.新製品を加える方法

チェーンストアの売り場は満杯状態のところが多い。特に首都圏など都市部の店舗では、狭い売り場のフェースをどう組むかで大きく売り上げに影響する。売り場スペースの取り合いなのだ。そのような状態の中で、8割の売れていないグループのアイテムでも、ペケのグループで、更にじわじわとランキングを下げているのを選んで、その代わりに新製品を入れて交代させる。

新製品というのは、いくら開発者が意気込んで出しても、実際に売れるかどうかはわからない。開発者がのめり込めば込むほどその製品は売れなくて、何とは無しに適当に売れるかどうかやってみたらヒットしてしまった、なんていうことも良くあることだ。そこで、テスト販売にするにしても、どんどん売れなくなって行くアイテムと交代させることで、売り場スペースを無駄にすることなく、既に売れている製品のフェースを奪うことなく販売テストをすることが出来る。チキンスペアリブなどはそういった例になる。

4.8割のグループから新しい2割の売れ筋グループに入るアイテム

2割のグループのアイテムの中でも時代とともに売れなくなっていくものもある。逆に8割のグループの中から、新しく2割のグループに入るものも出て来る。彗星のように出て来るのがヒット商品だが、そうでなくても少しずつ売れていって2割の売れ筋グループに入っていく商品もある。このランクダウンするものとランクアップするものに注意を払わないと、全体の売り上げを下げてしまう場合もある。
というのは、ランクダウンして行くアイテムは、もともと売れていたのだから、フェーシングも多く、2フェース、3フェースと売り場を占めているものもある。ランクアップして行っているアイテムは、一般的には1フェースか2フェース程度だろう。この二つの性格の商品をそのまま放っておくとどうなるか。
ランクダウンしているのに大切な売り場スペースを取ってしまっている。そして、ランクアップしていっている商品は、勢いがついているのに売り場スペースはそれまでと同じ。
勢いがついている商品は、フェースを増やしてやることにより、惰性、パワーを得て、加速度的に売り上げを伸ばす要素を持っている。
売れなくなっている商品をのさばらしておいて、売れてきている商品は頭を押さえたまま、ということになってしまう。
売れているもの、売れないが売れるもののバックアップと店のアイテムを豊富にしているものを見極めること。そして、その動きに応じた柔軟な陳列をすることが大切だ。

5.利益率もパレートの法則

売り上げではなく、今度は各アイテムの利益率を見てみると、利益の8割を稼ぎだしているのは2割のアイテム、となる。そこで、儲かる2割のアイテムをもっと売るためにはどうしたら良いか、というマーケティングに進めることも一つの方法だ。
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