M=マーケットリサーチ

2013/05/24 1:55 に 松本リサ が投稿
どういった商品が売れているのか、どのような店舗が流行っているのか、マーケットリサーチをするためには、店巡回調査をするのが手っ取り早く、現場が良くわかる。味を見るにもパッケージデザインを調べるにも、サンプルを取り寄せるのではなく、店に行き、どのように販売されているのかを見ると同時に、買って帰れば、詳しく調べ、味わい、堂々と写真も撮ることが出来る。食品だから、単価も安いので、抱えられるだけ買って帰っても費用はたかが知れている、一万円札を1〜2枚持って行けば釣りが来る。
問題は、どこに行けばよいかである。話題の店はテレビでも見ることがあるし、トレンド雑誌や業界紙にも乗っている、しかし、あちこちに散らばっているので、良さそうなところを回るにしても、かなりの時間がかかる。東京の流行っている店など、とてもではないが一日で回れる状況ではない。地方から出て来たら、電車を調べるだけで気が遠くなる。どこか一ヶ所に行けば、大体のところがわかるようなところはないか、となるだろう。それならば、吉祥寺に行けばよい。ここにはかなりの業態、店、話題がかたまっている。東京に着いたら、中央線に乗って、まっすぐ吉祥寺駅まで35分。到着したら、駅の北側に、たっぷりと視察店舗が散らばっている。

吉祥寺というのは面白い街で、高齢者が多いところなのに、学生や若い人が集まる町でもある。高齢者の点では「三高」なんて言っている、「高齢」「高収入」「高学歴」だそうだ。一方で多くの大学、高校がこの駅を拠点に散らばっている。朝夕は学生とサラリーマンが忙しく通勤通学中だ。昼になると、ホテルのレストランは高級住宅街から出て来たご婦人方で一杯になる、彼女たちのご主人は会社街で立ち食い蕎麦でも忙しく流し込んでいるのかな〜?と考えてしまう。夕方から学生が闊歩し始める。週末は遠方から買い物客が集中する、といった具合だ。

吉祥寺のマーケットエリアというのはかなり広範囲で、三鷹市と武蔵野市の広域高級住宅街をマーケットとしていると同時に、西の立川までという広範囲の顧客も集めている。シルバーマーケットとヤングマーケット、高収入者と、平均的収入家庭、学生とサラリーマン、その上に芸術家や文化人、こういった人々が混在している。それゆえに、商店はそれらに合わせてマーケティングをしているのである。すべての顧客を相手にしようと考えている店もあるが、若い人向けに徹する店もあるし、シルバーマーケット向けの店もあり、それらが渾然一体となっているのである。であるから、あらゆる店舗、多くの商品を、一ヶ所で見ることが出来るのである。

まず、駅ビルになる「ロンロン」の一階中央部に行くと、最近最も話題になっているデリカテッセン(総菜)ゾーンがある。核となる高級スーパーの「ガーデンズ」を中心にして、実に多くのデリカテッセンショップが集約されている。中華総菜専門店、サラダ専門店、豆腐専門店、多くの洋風総菜専門店、ジュース専門店、デザートとケーキの専門店、点心専門店、チーズ専門店、ワイン専門店、薬膳料理専門店、ベーカリー・・・。店のデザインもテレビモニターを多用したり、オープンキッチンにしたりと、工夫を凝らしている店がたくさんある。ここをウロウロすれば、どういったデリカテッセンが売れているのか、どういったネーミングがあるのか、パッケージ資材はどのようなものを使っているのか、対面販売はどのような陳列にしてあるのか、色はどうか、価格の構成はユニットプライスなのかパッケージ単位なのか、値ごろはどの程度なのか、さらには従業員の教育状態、ユニフォームのデザイン、とにかくここ10年ほどで急成長してきているデリカテッセンの全てを凝縮してみることが出来る。

この後は、同じフロアーの三鷹側の一番端まで行くと、食肉のディスカウント「ニュークイック」と、魚のディスカウントの「魚力」がある。この2つの店は、大分以前に集客の目玉として入った。駅ビルの一番端にわざわざ持って来たのは、この2つの店に行く客は多いので、まずビルの一番端まで行ってもらい、そこから電車やバスに乗るためにまた中央部まで戻るまでに、他の店でも買ってもらおう、という考え方なのだろう。一つ手前には小さい店だが、野菜のディスカウント店もあり、ここもかなりの客を呼び込んでいる。

ディスカウントショップの後は、サンロード商店街に入り、老舗の高級スーパーマーケット「三浦屋」に行く。この店のコンセプトは、健康・安全・美味しいという三つのニーズを満足させる商品を、長い間、一つ一つじっくりと検討しながら揃えてきていることだ。減塩については、塩を減らせば美味しさもダウンしてしまう傾向があるが、そうならない素材と加工をしっかりとした商品になったり、添加物も最小の商品を選んで来ている。だいたいこの店にカップ麺は無いのだ。食肉原材料も古くから銘柄品を使っており、総菜に使用する肉も同じものを使っている。グロサリーも高品質のものを選び抜いている。

次は少しだけ戻って、商店街の中央広場の前にある食肉専門店「サトウ肉店」に行ってみよう。ここは、群馬の玉村にある全国食肉学校の学生の店舗実習の店にされているところで、小さい店だが良く売っている。週末や平日でも午後になるとこの店には行列ができていることが多いのだが、これはこの店名物「メンチカツ」を買うための列である。この店の左隣を見ると羊羹などを売っている実に小さな店があるのだが、ここにも客が並んでいることが多い。一日に販売する商品を、工場で造れる適量以上に絶対に増やさないので、早く買わないと無くなってしまうのある。私は甘いものは食べないので知らないが、普通の人はこの美味しさをとても大事にしているのである。

ここら辺でそろそろ疲れてくるだろうが、まだまだ歩かなくてはいけない。近鉄百貨店が撤退した後、一階と地下に三越のデリカテッセンフロアーが進出してきた。まず、地下に行き、生鮮とデリカテッセンを見たら、一階に上がる。一階には、お茶の専門店や、和菓子、デザート類、ワイン、ベーカリーなどの専門店が入っている。大分疲れただろうから、ここらで座りたくなったら、出口のところにある「タリーズコーヒー」に入ろう。この店は日本でも巨大になった「スターバックス」に対抗して、最近急成長してきているチェーンである。

未だ回るパワーが残っていたら、西友、伊勢丹、東急があるし、商店街も面白い。ここの商店街は元気で有名なのだ。そして、もうお終いとなったら、そのまま駅から帰るのも良いが、駅の南側に行くと、井の頭公園があり、ここのベンチでゆっくり昼寝しよう。
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