コーンドビーフのすすめ

2013/05/24 18:27 に 松本リサ が投稿
コーンドビーフというのは、缶詰のものと良く勘違いされるが、ブロックから作る高級品は全く別のものである。。見たところでは「ビーフハム」とも言えるもので、食べても実にうまい。これをもっとデリ、総菜に使ったらどうだろうか。関税率は牛肉の半分なので有利である。
パストラミはペパーをたっぷり使ったものだが、コーンドビーフは、ハムと同じようにピクリングしてからボイル加熱したもので、作り方もハムと同じである。使う用途としては。、サンドイッチ、サラダ、マリネ、アペタイトと、多彩である。

コーンドビーフは、牛肉の肩やモモの部分を使って作る。最も使われる部位は、ブリスケット、アウトサイドラウンド(外モモ)である。

アウトサイドラウンドはブロックの形が大きく、スライスすると大判のスライスになる。赤身も多いので、ヘルシー感がある。ブリスケットは胸の部位で、元は脂肪が多くかんでいる部位なのだが、コーンドビーフにするときには、脂肪をしっかりとトリミングして、赤身部分のみを加工するものがほとんどである。

アウトサイドラウンドの味が淡泊なのに対して、ブリスケットはコクのある味である

。素材として単純に食べると、どのような試食会でもほとんどの人が「ブリスケットの方がおいしい」という。実際、米国などで流通しているコーンドビーフは、ブリスケットの方が多い。価格もブリスケットの方が安い。

コーンドビーフの価格だが、米国の人でもかなり知らない人がいるが、年間を通じてかなり大きく相場が変化する。

「セントパトリックデー」というのお祭りがあって、このお祭りの時にコーンドビーフを食べる週間がある。そのために、毎年11月から翌年の3月の第3週目位までは異常に相場が高くなる。2倍近くにもなるようである。ユーザー側としては仕入れを考えるときに頭に入れておいたほうがいい。


コーンドビーフを利用できる業態としては、まずファーストフードがあるだろう。ハンバーグに飽きてきて、新しいメニューをつぎつぎに開発していかなければならない今日、コーンドビーフという素材は、高級感もあるし、味もいい。バーガータイプにもなるし、高級なサンドイッチにもなる。

サンドイッチにする場合、パンはもちろん高級なものがいい。フランスパン、ソフトフランスパン、胚芽パン、その他新しいトレンドのパンを使ったらどうかと思う。

パンに挟む場合、米国ではバターはほとんど使わない。バターによって肉の味が損なわれてしまうからである。使われるのはマスタード、それもポメリマスタードである。それにシャキッとした野菜。

パストラミそのものの塩度は、最近の減塩傾向からかなり押さえられたものが出ている。以前のようにしょっぱくてどうしようもないものは米国でも売れないのである。

スライスの方法だが、極端に薄くスライスしたもの(シェーブドスライスと呼んでいる)を、何枚も重ねてパンに挟む。

パンに乗せるときには、スライスを重ねて乗せないで、フワッと、空気を肉と肉の間に入れるように、シワを付けて乗せるようにするといい。ボリュームも出るし、食べても軟らかさが出る。同じ50グラムのスライスを乗せるにしても、ペタッと乗せる場合と、このように乗せる場合では、味も、ボリュームも、全然違う。なにもコーンドビーフだけではなく、普通のサンドイッチ全般のこのことはいえる。

レストランにおいては、サラダ、アペタイトだろう。ベーコンの感覚でスープにいれてもいい。

居酒屋では、サラダ、アペタイトだろう。

デリ、総菜対する商品にはこれから面白い。全ての業態でのメニューを全て使える。特にサンドイッチの成長が近年顕著なので、これからのサンドイッチ商品の開発にコーンドビーフを考えてみたらいい。

スープ、シチューにも使える。スライスをすると、端材がでるが、これをスープに入れたり、シチューを作ったりすると、味のあるものが出来る。元々塩漬してあるのだから、ハムやソーセージを使うのと同じ感覚である。イタリアンのミネストローネスープはベーコンを使うが、この変わりにコーンドビーフを使ってもおいしい。

今までハムを使っていたものをこのコーンドビーフに変えるという考え方で見てみると、実に多くのメニューがある。ハムを使うよりも高級にするための素材として考えてもいいだろう。


コーンドビーフを、総菜ショップでサンドイッチやアペタイトの素材として販売する方法もある。まずスライスであるが,2つの方法がある。

普通に1.5〜2ミリ程度にしたレギュラ−のスライスと,できるかぎり薄くスライスした[シンスライス]とを出したい。デリカテッセントレーに盛りつける。

普通のスライスはおつまみなどに使うが,シンスライスはサンドイッチに使う。

普通サンドイッチというと,スライスをペタッとパンに挟んでしまうが,コ−ンドビーフのサンドイッチ,あるいはロ−ストビ−フでも同じだが,シンスライスしたものを,前述したように、フワッと,くしゃくしゃにしたような形で,スライスの間に空気が入るようにして,パンに乗せるといい。これからのこういったサンドイッチはシンスライスのものにしていくべきである。

このほかに,小間切れを出す。小間切れは用途が多いし,割安感があるので,売れ筋になるだろう。また,部位によって,全て小間切れにしたほうがいいものも出てくるだろう。そういった部位に,普通のスライスから出た端材も一緒にしてしまえば,ロスは出ない。

次は野菜との組み合わせである。サラダにしてもいいし,スライスでキュウリを巻いておつまみにしてもいい。いろいろなアイテムが考えられる。季節の野菜を使ったり,毎日違った野菜を使ったりと工夫をすれば,あきがこないし,そのうちに新しい売れ筋商品が見つかるかかもしれない。

次は[アペタイトセット]あるいは[オードブルセット]である。

こういったものは,クリスマスとかの特別のときだけの商品ではなくなってきている。何かあればパーティーの時代になってきているから。セットにしておけばいつでも売れる。いつもおいておくことによって,[あそこにいけば簡単なおつまみが揃う]となり,固定客もできることになるだろう。

組み合わせとしては,ロ−ストビ−フ,ハム,ソーセージとすればいいが,毎日違ったものを組み合わせたほうが面白い。また,そのようにすれば,日付管理にもなる。

サンドイッチに組立ててもいい,これが一番付加価値がある。


輸入するには、チルドとフローズンがあるが、もちろんチルドの方が味はいい。しかし、価格も高い。セントパトリックス・デイのことを考えると、フローズンで取ったほうがいい。フローズンの解凍は、ピチットシートのような、解凍フィルムを使えば、かなりチルドに近付けることが出来る。

ピチットシートでの解凍の方法であるが、ピチットシートは2種類のフィルムがあり、まず、薄いほうの、ラップフィルムのような方でブロックのコーンドビーフを包み、その上から、厚い、ゴワゴワの方のフィルムを巻く。それを冷蔵庫に入れて解凍する。冷蔵庫の温度は3℃ぐらいの方がいいので、この温度のものがあればそこに入れたらいい。フィルムで巻いているので、臭いが移る心配はない。薄いフィルムは使い捨てだが、厚い方は何回でも使える。

このようにして解凍すると、ただ単に冷蔵庫にいれたり、常温で解凍するのに比べて、2〜3%位は歩留まり良く解凍出来る。重量ではたいしたことはないが、味が違う。また、急速凍結した製品を使えばいい解凍が楽に出来る。マイナス40℃以下、出来れば窒素凍結にしたものでもあれば、冷蔵庫で解凍しただけで、いい解凍が出来る。

総合食品「フードライフ」1998年10号より
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