コンビニエンスストアに見る肉メニューの売れ筋

2013/05/25 16:48 に 松本リサ が投稿
コンビニエンスストアの弁当、惣菜は、何といっても売れているものを見るには一番いい。競争が激しいし、顧客は飽きが早く、新しいものを欲しがっている。という中でも、長い間売れ筋の物もある。売れているものを分析していると、商品開発、メニュー開発のアイデアが広がってくる。これら売れ筋から、デリ、惣菜のメニューを考えてみる。

ハンバーグ系

安定的に売れ筋に入っているのがハンバーグを基本としたものである。ハンバーグ単体ではなく、アレンジしたものでほとんどが出ている。アレンジの形は、煮込みハンバーグ弁当(ローソン、480円)、ペッパーハンバーグ弁当(ミニストップ、480円)、デラックスハンバーグ弁当(500円)イタリアンハンバーグ(380円)といったものである。ローカルのコンビニエンスストアで(カレーハンバーグ)というのもあり、これも良く売れているようだ。ハンバーグの質と重量は各社さまざまであるが、弁当用として多い重量は、100-120グラム程度である。ファミリーレストランでは、150ー160グラム程度が多い。
デリ、惣菜で考えたいハンバーグメニューとしては、和風系がある。コンビニエンスストアでは以上のようなものが売れているが、レストラン系では、和風のハンバーグが良く出ている。ポン酢や、醤油系のソースを使ったり、秋になったらキノコのソース、夏ならさわやかな大根オロシなどを使ったものである。レストランのサラダのドレッシングで一番出ているのは和風ドレッシングである。ステーキソースも同じように和風のソースをチョイスする顧客が多い。和風の味は、ヘルシーで、腹に優しいことから、好まれる。「和風ハンバーグ弁当」「ハンバーグ和風ソース味」といったものなどどうであろうか。

牛肉系

カルビ系統では、「牛カルビ焼き肉弁当、ローソン、480円」「カルビ焼き肉丼、450円、ローソン」、という正統派や、ヘルシーさを歌った「脂身の少ない牛肉丼、480円、ミニストップ」、ボリュームを狙った「大盛り牛丼、450円、サークルK」、変わったところでは「カルビチャーハン、480円、エーエムピーエム」、等もある。また、牛肉を主体にしたメニューその他では、「牛すき焼き弁当、480円、サークルK」(今年3月まで)、ビーフストロガノフ、480円、エーエムピーエム」といったものがある。
牛肉系のアイテムは、輸入牛肉を主体として、バラ肉をうまく使ったものが多い。低価格の牛バラ肉は、米国主体だったものが、価格の点でオーストラリアのものに移行していき、最近は集まりにくくなったせいかニュージーランドまで輸入先が広がってきている。
オーストラリアのものは、グレンフェッド系のものと、グラスフェッド系のものがある。グレンフェッド系のものは、日本向けに肥育生産をしたものだが、ショートグレンといって、穀物飼料(グレンフェッド)を食べさせる期間が短いものがあり、このほうが安い。更に低価格のものは、グラスフェッド系で、オーストラリア国内で消費しているものである。こういったグラスフェッド系の牛肉は、グレンフェッドとは違って、部位別に流通しているので買いやすい。
普通、日本に入ってくるグレンフェッド牛肉は日本向けに特別に肥育しているので、一頭から取れる牛肉全てをセットとして、ヒレも、バラも、全部が日本向けになる。そのために、ある部位だけを買いたいと思っても、そうは行かない。今まで日本に流通しているところに全てが行く契約になっている。価格も日本国内での価格レベルになる。これに対してグラスフェッドは、オーストラリア国内で部位別に流通しているので、特定の部位だけをまとめて買うことが出来る。価格もオーストラリア国内の相場で買うことが出来るのである。ただし、輸出の許可を取った工場で屠殺処理したものでなければならないのはもちろんである。
ニュージーランドの牛肉は、基本的にグラスフェッドである。その中からブリスケットだけを買うことは出来る。流通システムはオーストラリアと同じである。また、ごく少量であるが、日本向けにグレンフェッドビーフを特別に生産しているところもある。これは日本の大手メーカーが行っており、ルートは決まっている。
グラスフェッド系は、硬いと思われているが、牛丼などの煮込みにするにはそれほど問題にはならないようだ。現にあるローカルのコンビニエンスストアチェーンでは、目隠しテストをしてわからなかったそうである。

カツ系

豚カツに代表されるアイテムである。「メンチカツカレー、450円、ローソン」「ビーフかつ弁当、480円、ローソン」、「ビーフカツ弁当、480円、ミニストップ」「カツ丼、550円、ミニストップ」「勝つかつ弁当、480円、ミニストップ」、「豚ロースカツ弁当、480円、サークルK」、「カツカレーライス、480円、エーエムピーエム」といったものがある。
牛肉のカツメニューが目立ってきているが、価格的に可能なものになってきているからだろう。以前、結着のステーキがずいぶん売れていたことがあった。アウトサイドスカートの結着に代表されるものである。その後一時「ナチュラルな形の牛肉がいい」という方向になって一時すたれていたのだが、最近また復活の兆しがある。これは、低価格の牛肉原料が必要になっていることと、結着材が良くなってきていることもある。昔の結着材は臭いの問題がどうしてもクリアできなかった、しかし最近の結着材はいいものが出来ている。
豚カツ用の原料だが、セーフガードによって豚肉の価格は今後も下がりそうにない。国産物の出荷増などがあって、突然相場が下がることがあったり、再び上がったりと、相場が不安定な状況はいつまでも続きそうである。97年の3月にセーフガードが終わった後も、しばらくしたらまたすぐにセーフガードが発動されそうが動きがもう既に出ている。こういったことで輸入の豚肉は仕入れ価格が不安定になっているのは仕方がないだろう。
しかし、使い方、加工の便利さからいったら、輸入の豚肉は実にいい。特に米国の豚肉はトリミングがしっかりとしていて、脂肪も少なく、ヘルシー志向のニーズにあっている。パッケージを破いてすぐに切り身にして調理できる。作業が早くていい。米国の豚肉は、トリミングで脂肪を少なくするというのではなく、元の豚そのものに脂肪が少ない。これは米国人の徹底した低脂肪ニーズに合わせて生産段階から長年にわたって改良してきたものなのである。
セーフガードのリスクを回避する方法として、豚肉調製品にして輸入する方法もある。豚カツならば、切り身肉に衣を付けてから凍結をして輸入するのである。こうなると豚肉の生肉ではなくて「調製品」となり、定率関税になるので、セーフガードが発動されている時は有利である。また、輸入価格も安定するので、経営的にも安定する。

鶏肉系統

鶏肉を使ったメニューとしてはやはり唐揚げ系統が主体である。「中華唐揚げ弁当、480円、ローソン」、「唐揚げ弁当、480円、ミニストップ」、「スパイシーから上げ弁当、480円、サークルK」、といったところである。唐揚げ系ではハンバーグ、サラダのドレッシング、ステーキのドレッシングのように和風が好まれるようになってきているので、和風系を考えてみたらどうだろうか。醤油系のソースに漬け込んでから上げたり、衣を和風味にしたりといった工夫で出来る。かけるソースを和風にしてもいい。
鶏肉のメニューで最近流行っているのはロティサリー系である。これは「あぶり焼き」ということになる。照焼きチキンが食肉メーカー各社から出されているが、これもロティサリー系になる。サンドイッチに使ったりするスチームしたチキンや、ローストチキン、ホワイトチキンといったものもヘルシーで好まれる、こういったものは味が無いので、ソースやドレッシングを工夫することで売れ筋を目指すといい。

総合食品「フードライフ」96/11月号より
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