K=キッズ

2013/05/24 1:53 に 松本リサ が投稿
キッズは、子供で、子供マーケット、キッズマーケットだ。キッズマーケットでまず出て来るのは、アトピー、アレルギー対応である。牛乳アレルギーや蕎麦アレルギーなど特定の食品を食べるとアレルギーになるもので、ここ十数年の間に大きな問題になってきている。アトピーについても、湿疹、痒みなどの症状が特定の食品を食べると出て来る。これらの症状は赤ん坊から子供にかけて特有のものがほとんどで、子供の時にアトピー、アレルギーに症状であっても、大きくなると治るものである。この患者の数は以前は少なかったのが、7〜8年前頃だったか、五百万人になったころ、日本人の10%にもなってしまうのではないかと言われたが、現在では既にそのような状態である。
この原因は、薬品や添加物、抗生物質などいろいろなことが言われているが、個人個人によってその原因もいろいろな面があり、根本的な治療方法はまだ無い。食肉においては、ハムやソーセージであるのは、添加物、あるいは食肉そのものもあると言われているが、添加物を全く無くすことによってアトピー、アレルギー対応になる製品もある。例えば「温と体」の豚肉を使って製造した食肉製品がそのひとつである。「温と体」とは、と畜直後、冷却しないまま、まだ暖かい豚肉を直ぐに使って製品を作ることで、こうすると肉の結着力がまだ強力なので、全く添加物を使わないで製品が出来るのである。ただし、温と体そのものが特殊なので、と畜場と特に約束をして原料を手に入れる必要があり、少量の製造にとどまることになる。

最近では大手メーカーもこのアトピー、アレルギー対応マーケット向けの製品にいろいろな技術を駆使して参入してきている。以前は患者がごく少数で、対応製品も自然食を製造する中小メーカーに限られていた。しかし、日本人の10%ものマーケットが出来て来たところから、大手メーカーもはじめてきたわけである。アトピー、アレルギーは、ひとつの病気とは違い、患者の数分だけ症状があるようなものであるから、これに対応する食品を開発するのは大変なことになるのだが、食品別、食材別と言った分類からたどっていけば、ある程度のまとまったマーケットも開発できる。食肉メーカー、畜産生産業の立場から、これに対応した製品を開発できる可能性がある。


キッズマーケット対応のもう一つは、少子化である。食品だけではなく、子供向けマーケットは、子供の数が少なくなったら、マーケットも小さくなるかというと、逆に大きくなっている。それは過保護とか「6ポケット」という表現にされている。「6ポケット」とは、子供が一人なのに、小遣いをあげたりプレゼントをあげるのが、両親で二人、その両親のそれぞれの両親の合計4人、総計で6人もいるからである。一人の子供に6人のプレゼンターがいるので、子供は過保護になるのだが、マーケットとすれば大きなものになる。

世の中不景気で、消費が低迷しているとは言いながら、良いものを求める人はいつでもいる。人々の消費に関する感覚というのは二極化していて、金をいくら持っていてもケチはたくさんいるもので、先日聞いた話は、ある大金持ちの夫婦と一緒にイタリア旅行をしたら、エコノミークラスで、飛行機の中で出て来るミニボトルのワインや塩コショウをしっかりとバッグの中にしまい込み、旅行先のレストランでは最も安いものを頼み、酒は飲まず、飛行機から持って帰ったミニボトルワインをホテルで飲んでいたそうだ。貧乏人の旅行ならともかく、大金持ちがこれでは、回る金も回らない。こういう人は預金残高が減ると不安らしく、ケチになるらしいのだが、それなら旅行もしないで、家でかけそばでも食べていればいいのだ。

こんな反面、お金があってもなくても、自分のレベルにあった良いものを好み、マイペースで生きている人も、数は少ないが結構いる。こういった人々の生活は、派手ではないが、精神的に豊かなものを好む。食生活で言えば、ただ安いだけの食品や、意味なく高価格のものではなく、自分の生活レベルにあった、おいしい食材を選ぶ。旬の生鮮食品を選び、鮮度と熟成のバランスがとれた、低価格ではなくても良いが、それほど高くない「値頃」な物を趣味良く選び、それにあわせた「値ごろのワイン」を探す、といった具合である。こういった人たちの子供向けに、どのような食品があうのかを考えてみると、大きくはないが、品質の良いマーケットをつかむことにつながる。


キッズマーケットにはキャラクター製品が安易なもので、これに頼るメーカーは多い。食品の中身は適当で良いから、売れているキャラクターと契約をして、ブームに便乗して短い時間で稼ぐ手法である。キャラクターグッズの食品版ということになる。これは商売としては当たれば大きいから間違っているわけではない、これで低迷する売り上げをカバーしている傾向が最近目立つようだ。

このところのテレビの白痴化や公衆道徳の破廉恥さは止めどなく、親子共々総アホ化している。これを憂えて、良質な報道媒体やマスコミは断続的に注意を促している、若者の行動批判、子供の道徳問題と親の関係、といった論評の形で発表されているのだが、実はこれを一番聞いてもらいたいアホ達は、そんな評論は目に入らない、大体新聞など取らないからだ。先日中央製ンの中でとても面白い光景を見た、ダークスーツを着たビジネスマンらしき人がカッコ良く見えるアタッシュケースを派手に開けて、なんと漫画本をとりだした、横目でケースの中を見ると、さらにもう一冊が入っている。アタッシュケースの中に2冊がきちんと収納されていたのだ。そして、その隣に居た高校生が日経新聞を読んでいた。

キャラクターマーケットはアホと言っているわけではないが、真面目な食品には合いそうにない。そして、良い食品は、子供達のからだと頭にとっても良い。良い食品を求める人は、子供の食品にも気を使い、このマーケットは小さいが確実にある。
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