ハイグレードポークの商品作り2

2013/05/24 16:51 に 松本リサ が投稿
背脂肪の扱いについて。脂肪の多いバラ肉の料理提案も。

肉の味を大きく決定するのは脂肪である。だいぶ昔になるが、まだクジラの赤身肉が安かったころ、スーパーマーケットの食肉担当者のセミナーで、クジラの赤身肉を、和牛の脂肪を使って焼いたら、皆牛肉の肩肉だとか、もも肉だとか言っていた。脂肪で見分けがつかなくなってしまっているのである。

豚肉でももちろん脂肪が重要なのだが、顧客のニーズは複雑だ。脂肪のおいしさは良くわかっていても、低脂肪の志向になっているので、「おいしさはわかるけれども、食べたくない」となる。しかし、脂肪が欲しい顧客もいる。そこで、この相反する顧客のニーズを満たすためには、脂肪を付けた商品と、トリミングをした商品の両方を作る必要がある。

豚肉で良く売れる商品はロースだが、このロースでは3つのメニューに対して、それぞれ脂肪を付けたものとトリミングをしたものを作るといい。まず、ロースの豚カツ用、またはソテー用で、これの脂肪付きとトリミングしたもの。次に、生姜焼き用で、厚さは7ミリ程度、これの脂肪付きとトリミング。そして、スライスの脂肪付きとトリミングしたもの、となる。

生姜焼き用の厚さが厚いのではないかと考える人がいるかもしれない。スライス肉を生姜醤油で味付けをして痛めたものを生姜焼きと呼んでいることが多いが、あれでは生姜炒め、になってしまって、肉の味が出てこない。ハイグレードポークで生姜焼き用を作るのなら、7ミリ程度の厚さにして、おいしいハイグレードポークの味を楽しめるようにしたほうがいい。せっかくいい豚肉を売るのだから、肉の味を出来るだけいかしたカットをすべきだ。


写真1
ハイグレードポークの「豚カツ、ソテー用」のパッケージ、2枚入り。100グラムあたり260円で、二枚で190グラムになっている。脂肪はあまりトリミングはしていない。脂肪の味を楽しめる料理になる。



写真2
同じハイグレードポークだが、脂肪をしっかりとトリミングしてある、豚カツ、ソテー用。ネーミングを「ロースヘルシーカット」にしてある。脂肪のトリミングをすることによって、重量が軽くなり、トリミングの手間がかかるので、100グラムあたりの価格を30円高い290円にしてある。2枚での重量は160グラムと、脂肪分が相対的に軽くなっている。ヘルシーだから、脂肪が少なく、重量も少なくなっているわけだ。



写真3
別の店舗だが、売り場での陳列では、脂肪付きのが3枚入り、脂肪をトリミングしたほうが2枚入りでパッケージをしてある。使っているトレイだが、プラスチックのものではなく、ペーパートレイを使っている。ペーパートレイはプラスチックのものよりも高いのだが、「燃えるごみ」に入れられるのと、高級感を出すことが出来るので、ここではハイグレードポークのパッケージはペーパートレイを使うようにしてある。ヘルシーなほうは、2枚入れと、パッケージの枚数でもヘルシーらしさが出ている。



写真4
この店ではハイグレードポークは2種類あり、「地養豚のSPF」と「黒豚」である。左側は黒豚を厚めのスライスにした「ロース生姜焼き用」で、右側は1千地底度の切り身にして脂肪を残した「ロースカツ、ステーキ用」。黒豚のトレイは、プラスチックだが、木目のものを使って区別している。



写真5
右側は黒豚の「ロース生姜焼き用」、左側は黒豚の「ヒレブロック」。ラベルとも組めと例で明確に高品質の黒豚だとわかるのだが、このパッケージでは「バラン」を肉の上に乗せてさらに区別をしている。



パッケージにおけるトレイや化粧について


エコロジーの時代で、本来トレイにはあまり金をかけたくないし、トレイが販売価格を押し上げることは避けるべきなのだが、売れ行きの問題と比較をすると、ことはそう簡単ではない。単純に考えれば、トレイなどはもっとも低価格のものを使って、資源的にも節約できるのがいいとなるのだが、しかし、いいデザインのトレイを使うことによって、売れ行きが良くなることも事実なのである。

ペーパートレイは、燃やしてもダイオキシンの問題にはならないが、価格は高い。トレイにフィルムをかけるオートラッパーによっては、ペーパートレイを使えないものもある。これを考えるとペーパートレイは不利になりそうなのだが、パッケージを見た場合には高品質管が出て、ハイグレードの製品を入れるのにデザイン的にはいい。プラスチックと例でも、発泡スチロールのままのトレイよりも、表面に木目加工をしたと例のほうが、価格は高いが、高品質管が出ることになる、その上木目だから、見たうえでのエコロジー感覚も出ることになる。

トレイの形でも、売り上げが変わってきてしまう。たとえばしゃぶしゃぶ用のトレイは、扇型や、丸形のトレイの方が良く売れる。肉の量が多く見えるということと、トレイのまま食卓に出せる、という点がいい。顧客は衛生上と、心理の上で、肉に直接手を触れないにこしたことはないと考えている。その点、扇や丸形のトレイは、自宅にあるさらにわざわざ移さなくてもいい。移し替えた皿を洗う手間も省ける。

「バラン」についても、食べられないものをわざわざ入れるのはエコロジー的問題になるのだが、グリーンの自然な色をつけただけのものを入れると、パッケージが栄える。これだけで統計はとることは出来ないが、少しは違ってくることになる。たれ漬けの焼き肉用のパッケージだが、単にスライスした肉を焼き肉のたれに漬けて、トレイに入れるだけよりも、万能ネギ(低価格の細いネギ)を刻んでいれると全く見栄えが違ってきてしまう。少しぱらぱらと乗せるだけで、ヘルシー感覚まで出てきてしまうから不思議だ。同じく、トレイの上に貼るラベルにしても、肉のグレードに合わせてデザインをする必要がある。このハイグレードポークのパッケージには、ゴールドの下地に、グリーンの帯を入れ、黒豚の所帯は黒になっている。

ハンバーガーの上に乗っているゴマだが、あのゴマは風味をつけることにもなっているが、グレード管にも大きく寄与している。ゴマのコストは高いので、一個のバンズ(ハンバーガーに使っているパンのこと)の上に何粒のゴマを載せるかが、大量のバンズを生産するメーカーにとっては、コストのてんで重要になる。そのために、定期的に乗っているゴマの数を検査することも行われているのである。風味と、デザインと、コストの関係は複雑である。エコロジーだけに走ると、売れなくなることもあり、そうなると、生産性が悪くなり、結果的にラインの効率性から言ってエコロジーにならなくなることにもなりかねない。


写真6
右側は黒豚にバラスライスで、ネーミングも同じ「バラスライス」である。しかし、こういったいいバラ肉は、網で焼いて食べるととてもうまい。少し厚切りにスライスをして、一口大にカットをし、ガスレンジの真ん中にある普通は魚を焼くグリルで、もったいないけれども少し脂肪を落としながら「網焼」にすると、じつに味のある料理になる。これを、醤油に大根おろしと七味唐辛子を器に入れ、焼き上がったバラ肉の網焼でのり巻きのようにまいて食べると最高である。こういった、簡単で、ヘルシーな食べ方を、脂肪の多いバラ肉でやれば、もっと売れるようになる。ハイグレードポークだから出来る料理提案である。

鶏卵肉情報センター「養豚情報」1999/1月号より
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