ハイグレードポークの商品作り

2013/05/24 18:24 に 松本リサ が投稿
ハイグレードポークの商品作りをする際には、どういったことに気をつけたらいいのか、どういった特徴のある商品が重要か。また、ハイグレードポークをどのように陳列をするか、いくつかの売り場の広さの場合の案を出してみる。

1.商品作りのポイント

ロース切り身ヘルシーカット
背脂肪を取ったもの。
ハイグレードポークを志向するお客様は、味もさることながら、肥り過ぎが心配だが、おいしい豚肉を食べたい、という人も多い。豚肉の味は脂肪で決まるのだが、その脂肪を最低にしたカットにする。
このアイテムは普通のカットをしたフェースの隣に置くようにすればわかりやすい。価格はレギュラーカットよりも歩留りとカッティングコスト分を高くしていい。

生姜焼用
ハイグレードポークの生姜焼きは、普通の薄い生姜焼用よりも少し厚くする。味のいい豚肉は、少し厚切りにしたほうが豚肉の味があっておいしい。7ミリ程度がいい。

シーズニングステーキ
ミックスシーズニングをかけたもの。シーズニングは色々なメーカーから出ている。シーズニングというのは、ミックススパイスに塩と調味量を加えたもので、そのまま焼けばいい。タレやソースとは違って、さっぱりとして、エスニック(民族)風料理になり、今のトレンドに合っている。しかも調理が簡単である。
シーズニングは、塩が入っているのだが、普通の状態で塩を入れると、塩が肉の水分を吸い取ってしまい、ドリップになってしまうし、肉のおいしさが出てしまう。しかし、最近のシーズニングはノンドリップタイプのものになってきている。塩に工夫がしてあり、ドリップを出さないのだ。このタイプのシーズニングを使えばいい。

ロース焼肉用
ロースが不足してしまうので、焼肉用は作れないかも知れないが、作れる場合には図のようにする。ロースの切り身又はスライスを中央からカットをして、テール側の方を反対にして、中央の切断面が見えるようにしてトレーに盛り付ける。一口大になるし、ロースの形がわかるし、切断面が見えるので新鮮である。

シチュー用、カレー用、角煮用
ハイグレードポークを使った煮込み料理は本格的なものを作ることになるので、カッティングもそれに合わす。シチューは3〜4センチ、カレーは2〜3センチ、角煮は8センチ角に角切りをする。

小間切れ
ハイグレードポークの小間切れは料理用途が広く、高級料理に使うにも耐えられる。ミンチと一緒にこれがよく売れるようになると、ハイグレードの普及に大きな力になる。試食をするとか、半加工品を作るといった広い商品化によって、ミンチ、小間切れが最初に無くなるようにしたらいい。

ミンチ
ブランド名をいれたミンチにする。黒豚ならば「黒豚ミンチ」「黒豚100%ひき肉」といったようにする。素材がいいのだから味もいい。多少価格は高くても買うお客様はいる。店のミンチの顔にする。
脂肪率は15〜20%程度にすると味がいい。
このミンチを良く売れるようにすると、ハイグレードポーク全体の鮮度がよくなる。

ロースト
ハイグレードポークのローストは味がいい。高級な豚肉の味を売り込むのに、簡単に食べられて豪華なローストはじつにいい。
ローストポークを焼くには肉中温度63℃に焼く。これ以上焼くと、ジューシーで無くなるし、硬くなるし、歩留りも悪くなる。これ以下ではバクテリアの問題や、生焼けになってしまう。
ローストからのアイテムは、料理の汎用性のあるスライスが中心になる。スライスパックにはアペタイトで食べるようにソースを付けたらいいが、専用のソースが無かったり開発できない場合はマヨネーズをいれたらいい。ローストビーフには醤油系が合うが、ローストポークはマヨネーズ系がアンケートでも人気が高い。
スライスのレギュラーパック以外にはサラダを作ったらいい。サラダはヘルシーな点で人気があるし、ローストの端材を売上にするのにいい。ロスを大きな利益に出来る。
ローストからのカツは、ローストの切り身にパン粉を付けたもので、フライパンで短時間にカツが出来るアイテムである。
高級ハンバーグ
ハイグレードポークのミンチのみを使ったハンバーグ。使うシーズニングも本格的な高級味のものでなければならない。高級なハンバーグであるから、それに合わせたソースも付けるべきである。
このアイテムはレストランレベルの料理技術が必要になるが、スパイスメーカーと相談して、自社の高級ハンバーグの味作りを進めればいい。そういったことが高品質のミートデリを作る元になっていく。

ハム、ソーセージ
ソーセージが産地で出来たらいい。最も鮮度のいい原料の状態で作ることが出来るのだから理想である。
首都圏に数十店舗を展開するある中堅スーパーマーケットだが、ブランドポークを扱っており、売上は豚肉の20%程度になっていて成功しているのだが、この生産地ではその豚肉を使ったソーセージを作っている。
もちろんメーカーに依頼して作っているのだが、ソーセージに使っている豚肉の産地、つまり「正体」が明らかで安心だし、味もいいということで、両方がお互いの相乗効果で売れている。
ハイグレードポークの産地が同時に加工品を作って、同じスーパーマーケットに供給している例だが、こういった今までにないダイレクトな加工、流通がこれから出てくるだろう。そういった意味で、これは評価される。

2.陳列案

3尺・4段
全部位を入れている。シーズニングステーキはハイグレードを売り込む戦略商品なので、ロースとモモの2アイテムを入れている。
最下段に価値の高いロースとモモを置き、最上段に買いやすく価格の安いアイテムを置いている。最上段にこういったアイテムを置くのは、良く売れるようになってから置くのが本当はいい。売れるようになっていれば多くのお客様が最上段を見るようになる。そうなると2段目、3段目にも目が行くようになってきて回転がよくなるのだ。

3尺・3段
4段のアイテムから、モモのシーズニングステーキ、バラのブロック、ミンチ、肩のスライスを抜いている。ミンチを抜いたのは、この程度のアイテムだとひき材が出ないと仮定してのことだが、良く売れるようになり、回転がよいのならば、ぜひミンチは置くのがいい。

2尺・3段
肩を入れていない。このほかの方法として、バラも取らず、ロース、モモ、ヒレ(ヘレ)の3部位で、あるいは、ロース、モモの2部位で進める方法もある。コストとバランスおよび生産者との話し合いで決めていくしかない。

鶏卵肉情報センター「養豚情報」1998年11月号
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