フーズデザイン流効率的コストダウンの方法

2013/05/25 7:15 に 松本リサ が投稿
フーズデザイン(以下FD)は、食品のコンサルティング業を、14年前から行っている。コンサルタント業というのは、クライアントとの密接なコミュニケーションが重要な反面、出張が多い。また、調査のためのシステムや、効率的なレポートシステムが重要になる。そのために、収集する資料、データも、かなりの量になる。というところから、効率的なコミュニケーションと調査、情報収集と報告およびファイルシステム、が必要になる。もちろんすべてに渡って、低コストが理想である。これらのシステムは、組んだ後、作業が楽になり、早くなり、コストダウンにならなければならない。

電話をしない


不在中に電話をもらい、後でこちらから電話をしたら、先方が不在、やっと話が出来たら、たいして重要なことではなかった。といったことは年中だ。最近は携帯電話でかなり便利にはなったが、会議中の携帯電話で迷惑することも多い。そこで、「できるだけ電話をしない」ことから仕事の効率化を始めた。

具体的には、自分から発信する件は、ファックスを出すことにし、回答は、「メモでいいですから、できるだけファックスで」とお願いをした。ミーティングのスケジュールを決めるにも、あらかじめこちらの空いている日を相手にファックスをし、その中から都合のいい日をマークして、時間をメモしたファックスをもらう。そして確認のために、こちらからそのメモに「オーケー」のメモを入れて、ファックスで戻す。というように、すべての連絡をファックスにした。

これを始めたのは、ファックスが大体普及してきた10年ほど前だった。最初は戸惑う人もあったが、一度やるとこの便利さの魅力がわかる人も多くなった。電話料の大幅な節約にもなる。何しろ世間話を全くすることなく、ほとんどの用件を1枚のメモだけで、無言で出来るのだから。電話連絡が取れないというストレスもなくなった。かなり複雑な用事でも、よく考えてみれば、ちょっと文章を工夫すれば、話すよりも確実である。報告をするにも正確に伝わるし、記録に残る。これによって、実際の数字では出てこないが、電話の量が激減し、通話料は半分程度になった。今、こちらからかける電話は、一日大体5本以下である。


ファックス同報システム


初期のころ、十数社あるクライアントに、業界の動向ニュースや、原稿、提案などを、月に一度50ページ程度の小冊誌にして出していた。好評だったが、作成するのに手間が掛かるし、印刷費と発送料で毎月5万円程度がかかっていた。

そんなところに、リクルート社のFNXというファックス同報システムが出て来た。これは、ページの上の部分に相手のあて先をそれぞれ入れて、一斉にファックスを送るシステムである。グルーピングは自由にできる。FDの場合、十数社のあて先をグループ化して、毎晩、低価格の時間帯を使って、大体2ページ程度の情報を送り出した。

情報のスピードもこれならば文句はない。

コスト的にどうなったかというと、夜間の低価格料金で平均1ページ23円(地方25円、首都圏21円)。合計で、17,250円。早くなって、コストはそれまでの35%である。

このシステムは、顧問契約社に対するものだけではなく、資料集の販売やセミナーなどのダイレクトメールにも使う。FDの今まで関係している顧客リストは約1,500社あり、これが地域、業種、求めている情報などによって、自由にグルーピングをして発信できる。先日はHACCPシステムのセミナー案内を約千社に出したが、郵便だと1社百円かかるし、宛名書きはしなければならないし、封筒代もかかる、しかし、FNXでやれば、23円。千個所で、郵送なら10万円かかるところが、2万3千円ですむ。

FDでは、年賀状は出さない。宛名書きの時間の無駄、ハガキ代の無駄である。ファックスならば、たくさん書けるし、コストはハガキの半分以下である。この年賀ファックスでは毎年「今年のフーズのトレンド」として、数十項目の流行りそうなもの、重要なポイントを書いており、好評である。内容の質問も来るし、このファックスを年中持って歩いている人もいる。ありがたいことである。


ファイルシステム


子供達が大きくなり、家が狭くなってきたので、引っ越しをした。それまでは同じマンション内に、自宅と事務所の2つのユニットがあり、それでも足りないので、月1万5千円の「押し入れ産業」のコンテナーを借りていた。バブルがはじけたおかげで、それまで住んでいたマンションの倍の広さが同じコストで、駐車場もついており、おまけににバーベキューパーティーに最高の庭まである。

引っ越しに当たって、今までの古い資料を捨てることにした、本棚で4本分ある。コンサルタントがそんな古い資料を使っていたら、失格だ。このほとんどをもう使わないとわかっていても、捨てられない。しかし、こんなつまらないもので、自分のいるところが狭くなるのはいやなので、引っ越しした直後に、コンピュータのファイルシステムを使ってみることにした。マッキントッシュに対応した「PaperPort」というスキャナーである、4万円以下で売っている。ウインドウズ版でも同じタイプものがある。

このスキャナーは、幅32センチ、奥行き7センチという超小型で、書類をどんどん読み込んでくれ、複数枚になっている資料も、そのまま一冊の本の形でファイルできるようになっている。これで読み込んだのを光ディスクに保管することにした。光ディスクのドライブは3万円台で売っているし、メディアは230メガバイトタイプで、80円だ。これ一枚に、何と2,800枚程度が入る。やってみたら、半年分が一枚のディスクに入る。資料を探すには、キーワードでも、日付でも、すぐに探しだせる。モニター上で見ることも出来るし、そのままファックスすることも、印刷もできる。

で、どうなったかというと、本棚3つ分が不要になり、子供達にあげてしまった。これは、約1平米の節約だ、坪3万円の事務所なら、毎月1万円の節約になる。その後も、重要ではない資料は「PaperPort」に入れてしまう。雑誌についても、目を通し、保存しておきたい部分だけ破き、「PaperPort」する。

効率的なファイル方法は、「ファイルしない」ことであり「整理しない」ことである。「PaperPort」でのファイルは、コンピュータ内に、ただ、どんどん入れていく、段ボールの中に、上からどんどん積み重ねていくのと同じだ。分野や、会社別など、いっさい分けない。日付は自動的に各ファイル付けられるから、大体いつごろのものか思い出し、その頃の部分を見ていくと、見つかる。さらに、キーワードが各資料に付けられている。たとえばこの原稿が発表になった場合、キーワードは「ベンチャー、ファイル、節約」というようなものになるだろう。このうちのどれかの言葉が引っ掛かれば簡単に見つかる。

雑誌や、パンフレットなどで、しばらく置いておきたいものがある。それはとりあえず本棚の幅約40センチの1ブロックに突っ込んでおく。次第にこのブロックがたまっていき、いっぱいになってくると、右側(古いほう)から、どんどん捨てていく。そして未練のあるものについては、「PaperPort」する。幅40センチ以上は増えないようになっている。実に気持ちがいい。


電話をISDNに


引っ越しと同時に、ISDNにすることにした。それまでは仕事に2本の電話回線を入れていたのだが、ISDNにすると1本で済む、電話基本料が半分になる。ISDNというと難しいもののように見られるが、そんなことは全く無い。NTTに行き、今使っている電話線をISDNにする申し込みをし、その時、もう一つの電話番号ももらう。一本の回線で、2つの電話番号が使える、電話とファックスの2つの番号が出来る。それまで使っているのと同じ番号がもらえるようだが、場所によってはだめなところもあるようなので、この点は聞いてみる。ISDNではDSUとTA(ターミナルアダプター)という機械が必要だが、これは3万円台で一緒になったのが安く売っている。NTTの関連会社の製品があるので、選定するのが面倒なら、それを頼んだらいい。

NTTが工事に来たら、電話とファックスの両方につないでもらって終わりだ。FDの場合は、インターネットを活用しているが、これはコンピュータから直接TAにつないで使う。こうすると、一本のISDNで、電話、ファックス、インターネットの高速回線がつながり、このうちの2本を同時に使うことが出来る。これで、電話基本料が半分になった。4本の電話を入れている事業所では、2本のISDNにすれば、1本のファックスと、3本の電話、2本のインターネット回線が使える。


コピー機を使わない


報告用や、少量出版の資料集が、毎月300ページ程度のものが、100部程度ある。これをコピーでやっていると、1ページに10円かかるので、30万円になる。資料集というのは、「HACCPデータベース」「輸入食材データベース」といったもので、たいした部数は売れない。これを印刷会社に頼むと目の玉の飛び出る見積もりが来る。しかし、こういった資料集出版はこれから増やしていきたいので、革命的な印刷物コストダウンを行うことにした。リソグラフと製本機を入れたのである。

リソグラフはデジタル印刷機で、1ページを一部印刷するのに、版下コストの35円がかかる(紙代は別)。しかし、同じものを10枚だろうが、100枚だろうが、版下コストは同じ35円である、100枚なら、一枚あたり0.35円になる。ということは、FDの場合、コピーだと、10+0.5(一枚1円の半面の紙代)X300X100=315,000円かかるのが、リソグラフだと、0.35(一ページあたりの版下コスト)+0.5X300X100=25,500円、である。機械のリース料は34,196円。リース料を入れても、コピーをしている場合に比べて、80%程度のの節約になった。

リソグラフで製本をするには技術が必要である。特にソート機をうまく使ってページ順番をセットするところにノウハウがある。製本にもコツがあり、最初は大分失敗をしたが、今では半プロの印刷職人気取りである。コストダウンには、努力と失敗の経験が必要だ。


その他、書ききれない分、項目だけ。

秘書センター:月2万円で、一人の電話番の仕事を十分にできる。

ホームページ:HACCPや食肉関係では、得な情報がいっぱいで、見てくれる人が増えている、そこに、販売資料、セミナー案内も出し、申し込みは少しだが来る。ぜひご覧ください。

ヤマトのコレクトサービス:代引き宅急便。これで販売している資料を送ると、請求書も要らないし、回収の手間も不要。

ベンチャーリンク98/2月号より
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