ダチョウ肉

2013/05/25 16:28 に 松本リサ が投稿
ダチョウ肉についての質問が最近良く来る。新聞などで話題になっており、良く記事に出ているところからだろう。なぜ最近ダチョウが話題になっているかであるが、

1.牛肉に似ている、ヘルシーミート

ダチョウ肉は牛肉の赤身と見た目が同じである。牛肉のモモの部分のようだ。赤身が多いので、ヘルシーに見えるし、実際栄養成分などを分析したデータを見ると、ヘルシーミートである。

味の方であるが、たしかに牛肉に似ているが、やはりダチョウ、つまり鳥肉である。弾力性があり、牛肉に多少硬い鶏肉の歯触りを合わせたようなものだ。味のわからない人に食べさせたら、牛肉という人も多いだろう。グラスフェッド(牧草飼育)の牛肉のモモ肉といったら信用するかも知れない。

2.飼料効率がいい

ダチョウ飼育は1830〜1860年ごろ、南アフリカ共和国で始まったとされている。

食料資源が問題になっていて、特に牛肉など穀物を食べさせて肥育する食肉が問題にされている。牛はもともと草を食べる動物であるから、オーストラリアやニュージーランドのように牧草飼育の牛肉が本来は自然である。土地と草があればいいのだから、飼料効率はいい、コストがかからない。であるから、オーストラリアやニュージーランドでは、羊は最も安いが、その次に牛肉は安く、豚肉は牛肉よりも高い、そして鶏肉は最も高い。これが飼料効率から行ったら自然な価格なのである。豚肉と鶏肉は餌を食べさせなければならないし、鳥肉は小さいから歩留まりも悪いので、いちばん高くなるのである。

この点、ダチョウ肉は、牛肉にある程度にているにもかかわらず、飼料効率はとてもいい。青森県弘前市の桐原義則さんは、ダチョウの飼育に取り組んでいる。えさは牛用と鶏用の配合飼料を混ぜたものに青草。冬場はペレットも与える。飼育舎付きの放牧場で放し飼いするため、手間もかからず、えさ代や人件費を含めた飼養コストはかなり低く抑えられる(96年09月02日 日本農業新聞)。

ダチョウ牧場を始めた東藻琴の小久保謙さん(48)は(1)高タンパク、高ミネラルなのにカロリーは牛肉のほぼ半分(2)1キロ成長するのに必要なエサは牛の10分の1、鶏の半分(3)10〜12カ月ほどで出荷できる(4)ふん尿の量が少なく、環境面でも安心――とメリットが多く、牛肉や豚肉に決して負けないとの確信が得られたからだ。産卵の面でニワトリと比べると、ニワトリは年間300個ほどの卵を産むが、1個60グラムとすると年間18キロ。一方、ダチョウは年間40〜50個だが、1個1・6キロもあり、年間で計72キロにもなる。しかも、ダチョウは15年間は産卵が可能。(96年08月23日 毎日新聞)。

中国でダチョウ肉を生産するところが増えており、このための協会のようなものも出来ているそうだ。飼料効率がいいから、少しの餌でダチョウ肉がたくさん取れる、食料の不足している、特に動物性たんぱく質が不足していて、これからさらに必要になってくる中国では、ダチョウ肉はいいかも知れない。このことは、中国に限らず、実は全世界で重要なことである。

3.狂牛病との関係

昨年イギリスで狂牛病が出て、大騒ぎになった。全世界で牛肉に対する恐怖が出てきてしまったのだが、これに対応して、イギリスではハンバーグの肉にダチョウ肉を使うところが出てきている。学校給食に使っているそうだが、ダチョウ肉でハンバーグを作ったら、ヘルシーさもあるのでいいかも知れない。ただし、まだほんの一部にあるだけで、これが続くのか、まだ続いているのかわからないが。ロンドンの高級デパート「ハロッズ」では1キロ34.5ポンド(約5700円)で価格は非常に高いということ。これも狂牛病騒ぎの対応になるのかも知れない。英国では肉の全消費量のうち、牛肉は約24%を占め、ダチョウは1%にも満たない。牧場の数も牛の12万か所に対してダチョウは300か所。それでも、300カ所もあるのである。

4.米国でも食べられている

米国でも食べられているというところから、食肉として認められ出した点もある。エスニック圏、アフリカや、東南アジアなどで食べられているというだけならば、ヘビ肉やワニ肉と一緒にされてしまって、珍味になってしまうかも知れないが、米国で食べられているから、世界的に認められる食肉になるのかも知れない。ナマズはもともと日本でも歴史的に食べてはいたが、一般の食材ではなかった、しかし米国で白身の魚として珍重されて食べだされた後、日本でもナマズ料理が一般的に認められた歴史もある。先日も米国からダチョウ肉を買うところはないか?と、電子メールが来た。向こうではもう日本はかなりダチョウ肉を食べているという情報が一部流れているようだ。「そんな大きなマーケットにまだなっていないよ」と返事を書いておいたのだが、「これからの動きによっては、おもしろくなる可能性も、否定できない」と、慎重に追加しておいた。

5.日本でも生産され出している

沖縄や北海道、島根などで生産がされている。沖縄オーストリッチ産業では大阪に直営レストランまでもっている。エスニックレストラン、エスニックメニューが主になるが、少しづつ目立つようになってきているので、業界の話題にもなってきているのだろう。

 【ダチョウ料理を食べさせてくれる店】

◆アフリカ料理「ローズ・ド・サハラ本店」

 ステーキ、タタキ、シチュー

 渋谷区代々木2ノ10ノ10東京プラザ2階

 TEL3379・6427

◆同「ローズ・ド・サハラ西新宿店」

 新宿区西新宿6ノ5ノ1

 新宿アイランドタワー地下1階

 TEL5323・4210

◆ライブレストラン「ピガピガ」

 ステーキ(要予約)

 渋谷区恵比寿南1ノ8ノ1

 TEL3715・3431

◆レストラン「ジャマイカン・クラブ」

 ステーキ、バーベキュー、ナゲット

 港区元麻布2ノ1ノ21元麻布YSビル地下1階

 TEL3473・8998

◆イタリア風レストラン「ラ・フェスタ」

 カルパッチョ

 目黒区自由が丘2ノ16ノ11

 TEL3723・7770

◆沖縄ハーバービューホテル

◆大阪高槻市ふっとらん(沖縄オーストリッチ産業経営)

6.価格

国産では、キロ4500円とか5000円といった価格で販売されている。輸入ダチョウを扱う業者では、卸売り問屋の価格で2000円程度だということである。

7.卵もユニーク

ダチョウの卵は一個1.5〜1.8キロぐらいある。鶏卵と比べたら30個分程度になる巨大なものである。沖縄のハーバービューホテルではこれもメニューに入れている。これだけで話題になっている。輸入の冷蔵のダチョウ卵の価格は一個5000円を超えるようだ。

8.メニュー

ステーキ、しゃぶしゃぶ、刺身、タタキ、焼き肉、バーベキュー、等、メニューの幅は広い。レストランによって、和風にも出来るし、エスニック風にも出来る、また、ヘルシーメニューとして売り込むのにもいいだろう。おもしろい例では、弁当で、和田山駅の「とってもヘルシーDAチョーン」(1200円)は、低脂肪、低カロリーのヘルシーメニューとして米国で人気のあるダチョウ肉を、初めて使った弁当。

9.小売りを少し買って試食をしたい場合

新宿の伊勢丹で販売している。

総合食品研究所「フードライフ」97/5月号より
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