チキン、ターキーの、加工品

2013/05/25 16:07 に 松本リサ が投稿
ヘルシーと、価格的に安いことで、チキンのメニューに人気が出て来ている。又、おしゃれ性で期待が持てるのがターキーだ。米国ではポートリーという家禽肉が伸びてきている。家禽肉というのは、鳥類の肉のことで、一般的には、チキン、ターキー、ダックの3種類をさす。ダックは普通、合鴨をさす。

チキンのメニューでは、地鶏を扱うフードサービス企業が増えつつあるが、同時に、調理の簡便性から、ファーストフードや惣菜、弁当企業では、焼き鳥や唐揚げなどの加工品、半加工品を採用しているところが多い。これらはタイや中国など、東南アジアの工場で加工して日本に輸入するものが多い。重量や規格など、日本ユーザーが気にする細かいことをしっかりとやってくれ、しかも人件費が安いために、コスト的に合うからである。このような中、一方では米国からの、チキンやターキーの加工品に、新しいセンス、ニーズ、トレンドに合うものが出て来ている。おしゃれ性、ヘルシー性、話題性といったものである。

フードサービスに重要なことは、時代の流れに逆らわないことである。顧客の好むメニューについていえば、目まぐるしく変わるメニューもあれば、昔からの売れ筋もある。言い方を変えると、売れているものをもっと売るようにすれば、ある程度の売り上げは稼げる。しかし、同時に、売れつつあるもの、あるいはこれから売れそうなものを、早く見つけて、それを早く売りだすことが、競争に打ち勝つものにもなる。

チキン、ターキーのメニューが伸びてきている現在、これを新しいニーズに沿った形で提供することは、顧客をいち早く取り込むために重要なことである。そのためには、素材からの方法と、加工品の応用があるが、ファーストフードや惣菜、サンドイッチハウス、ピザハウス、などでは、素早く対応できて、汎用性もある米国産の加工品にも目をむけたらいい。


ターキーの加工品


丸鳥をそのまま凍結したものが日本に入ってきているターキーの標準的原形である。これよりも少し加工したものは、丸鳥から骨を外して、ネットをかけて、卵型にして凍結したものである。これをローストすれば、骨が無いので、カービングするときに簡単にできる、扱いやすい半加工品になる。そして、これよりも更に加工度を上げたものが、これから面白い。ターキーの加工品で定評のあるジェニー・オー社の製品からいくつか紹介してみる。


ターキーロール


丸ハムのようにターキーをロール状に整形をして加熱調理したものである。ログ状なので、スライスしてもステーキ状に切り身にしても、断面が一定なので、メニュー化しやすい。味は薄味にしてあるので、ソースやドレッシングなどでどのようにも工夫できる。大きさは一本4.5キロ程度。スライスをしてサンドイッチやサラダに、切り身にしてメインディッシュにも出来る。


ターキーパストラミ


パストラミは牛肉で作るのが一般的で、部位もブリスケットを使うことが多く、コクのある、濃い味である。これをターキーで作ったもの。ターキーの味の濃いモモ肉の方を使って、味もスパイシーに加工してある。アペタイト、カナッペなどにいい、ピザのトッピングにも。


スモークブレスト


濃いスモークよりも、最近は香りを楽しむ程度の薄いライトスモークフレーバーが流行っている。薄いフレーバーはヘルシー、おしゃれ性にも通じるからだ。この製品は、皮で肉を包んでスモークをしたもの。皮で肉をプロテクトしてあるので、ジューシーさを失わないし、ライトスモークにうまく仕上っている。香りのあるターキーメニューに使える。


ブレスト


ブレストの骨も皮も外した、最もヘルシーで、あっさりした味付け。超ヘルシーメニュー向け。整形はオーバル型のログタイプになっているので、量端のわずかの部分を除けばロスはほとんど出ない。


この他、ターキー加工品各社から色々な製品が出ている。


チキンの米国的加工品


トレンドになりつつある米国的チキンの加工品は、ケイジャン、TEX MEX、ハーブが面白い。ケイジャンは、米国の南部の料理に多いタイプで、スパイスをたっぷりと使って、グリルで焦げ目を付けて焼き上げた料理。チキンに別に限らないで、肉、魚、なんでも使う。ケイジャンメニューは、ニューヨークやカリフォルニアのスノッブなレストランで良く取り入れられているものでもある。TEX MEXというのは昔から使われている表現で、TEXはテキサス、MEXはメキシコ。テキサスやメキシコ辺りの料理で、ケイジャンに似た面もあるエスニック料理。

ハーブは、香草で、タイム、ベイリーフ、タラゴン、ミント、コリアンダー、セロリー、オレガノ、バジル、マジョラム・・・・。日本では、大葉、山椒、刺身のツマ類もハーブ類に入れてもいいと思う。ハーブはもともと薬草で、ヨーロッパでは修道院などの庭で栽培していた。腹具合が悪いときにはチンザノを飲め、などと言われるが、あれはハーブ酒である。中国で言えば薬膳酒になる。

エスニック、ケイジャン、ハーブのチキンメニューは、日本でも既にかなり取り入れられていて、人気製品になっているのもあるし、成長中のものも多い。例えば、ケイジャンチキン(サブウエイ)、タンドリーチキン&メキシカンピラフ(ジョナサン)、チキンケイジャンピタセット(ケンタッキーフライドチキン)、チキンカリー(オールドスパゲティファクトリー)、にんにく焼き(ラッコルト)、 香草焼き(スカイラークガーデンズ)


スパイス、ハーブは、それぞれ薬効があり、食当りに効くとか、便秘にいい、疲労回復向き、強壮剤と、色々ある。最近はハーブガーデンブームで、日本でも家庭で小さいハーブガーデンを持ち、ちょっとミントの葉っぱをつまんできてハーブティーを楽しむ人も多くなってきた。東京、恵比寿ガーデンプレイスのウエスティンホテルでは、ホテルのガーデンにハーブを植え、料理に使っている。若いシェフがハーブを採っているのなど、料理を食べながら見ていて楽しいものである。


もう一つ米国でのトレンドは、ノンフライである。フライから、ロティサリーである。ローカロリー、ローファットとなれば、ロティサリーで、あぶり焼きである。脂肪を落しながらゆっくり焼く、ローストをするのが流行っている。


ローストチキン製品


このようなトレンドに対応する加工品で定評のあるメーカー「ピアスフーズ」のローストチキン製品では、「ハーブ味、ケイジャン風1/2カット」がある。ハーブの方は、「ハーブ・ハーフ」などと呼んでいるが、丸鳥のハーフカットにハーブ味を付けたのと、ケイジャン風にスパイスをたっぷりと使ったメニュー。調理済みで、電子レンジなどで温めるだけでボリュームたっぷりのメニューになる。1/2カットの重量は一個380グラ強程度。1/4カットもあり、210グラム程度。ウイングもある。


こういったチキンやターキーの加工品は多くのメニューに汎用性が効く利点がある。例えばサンドイッチである。サンドイッチはハイセンス、あるいはトレンドのパンを使って伸びてきているものがある。ピタパンを使ったり、クラブハウスサンドイッチのようにパンの内側を焼いてフレーバーを楽しませたり、スチームオーブンを使ったソフトフランスパンを使ったり、といったものである。チキンを使ったサンドイッチでは、チキンフィレサンド(ケンタッキーフライドチキン)、ミラノチキンサンド(ロッテリア)、チキンチーズサンド(アートコーヒー)、テリヤキチキンサンド(珈琲館)、チキンサンド(異人館倶楽部)などがある。

サラダにも使いやすい。サラダバーは人気だが、最近は具だくさんのサラダやスープがトレンドで、メインディッシュ無しに、具がたっぷりと入ったサラダやスープで食事を完結するヘルシー派も増えてきている、こういったサラダに使われるのは、チキン、そしてこれからはターキーの加工品である。ローストチキンと木の子のサラダ(ラッコルト)、チキンサラダ(インフォルノ)といったものがある。


スタッフィング加工製品


スタッフィングとは詰め物で、肉の中に詰め物をして調理をする方法である。米国大手のタイソン社からグレードの高いチキンのスタッフィング製品が「チキンのマルコポーロ」である。これは、モモ肉の中に、リンゴ、アーモンド、レーズン、クルトンをスタッフしたもので、一個227グラム。調理はオーブンで30〜45分。454キロカロリーである。先日の試食会では、ソースを工夫したり、外側を網脂やキャベツで包んだりして、ちょっと工夫を加えたメニューも出ていた。この製品は肉が非常に軟らかくジューシーに出来ている。今後楽しみである。


チキン、ターキーの米国的加工品について、もっと知りたい場合は、アメリカ家禽鶏卵肉輸出協会まで。

柴田書店「月刊食堂」97/11月号より
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