あぶり焼き

2013/05/25 16:08 に 松本リサ が投稿
日経テレコンPOS情報より、97年8月上旬の「畜肉製品」のランキングを見てみると、
1.日ハム 荒挽グルメイドステーキ1枚増量5枚300G

2.日ハム 焼豚伝説 本格強火焼 ブロック  245G

3.日ハム あらびきグルメイドステーキ 4枚 240G

4.日ハム チキンナゲット12個ソース40G付240G

5.石井 おべんとクン ミートボール   120GX2

6.雪印食 牛カルビ焼            500G

7.伊勢湾 グルメロード あかみ焼豚 ブロック800G

8.明ケン 直火あぶり焼豚 スライス     110G

9.丸大 焼豚 ブロック       400〜476G

10.日ハムチキチキボーンスパイス風味増量45+225G

11.日ハム 本格直火焼 焼豚 切りおとし   100G

12.日ハム チキチキボーン 10%増量 23+225G

13.伊藤元祖焙り焼ハーブ&レモンチキンステーキ24OG

14.雪印食 薩摩風味豚角煮          400G

15.日ハム 香味ステーキ スライス      160G

16.プリマ黒王黒豚荒挽ステーキポークソーセージ150G

17.伊藤 元祖あぶり焼パストラミCステーキ3個24OG

18.長沼 タンネトウ ロースジンギスカン味付  1KG

19.グリコ 焼豚 ブロック      865〜949G

20.日ハム 網焼き焼豚 チャーシュー ブロック230G

21.石井 チキンハンバーグ         90GX3

22.日ハム テリヤキ一番若鶏チキンステーキ110GX2

23.伊藤 焼いておいしいハムステーキ 3枚  17OG

24.プリマ ミッキーマウス チキンナゲット  200G

25.プリマ 黒豚あらびきステーキ ボロニア5枚250G

26.日ハム 炸肉丸子 甘酢肉団子     150GX2

27.日ハム ハンバーグの王様 デミグラスソース170G

28.丸大 焼豚 お買得          250GX2

29.丸大 豚角煮               410G

30.マルシン ハンバーグ            85G

31.プリマ 黒豚 焼豚 ブロック       200G

32.伊藤 うすぎりあらびきステーキボロニア4枚2OOG

33.日ハム あらびきハンバーグ 1個増量 100GX4

34.石井 おべんとクン ミートボール   120GX3

35.丸大 直火焼ハンバーグ ソース付   100GX4

36.石井 おべんとクン ミートボール 10個 120G

37.日ハム ハンバーグの王様 和風おろし醤油 170G

38.日ハム炭火焼ハンバーグ和風きのこソース120GX3

39.丸大 からあげ 徳用大袋         800G

40.丸大 からあげ 大袋 徳用        800G

41.丸大 ホットビット チキンバースパイス入り240G

42.雪印食 ラルズ よいち 焼肉ロース    500G

43.グリコ 神戸山の手異人館ハンバーグステーキ150G

44.プリマ から揚げ             210G

45.伊藤元祖あぶり焼和風てりチキンステーキ3個24OG

46.プリマ直火焼ハンバーグ増ソース60G付100GX4

47.プリマ プチプチチキン スパイシー味   200G

48.丸大 焼豚 ローストポーク        700G

49.丸大 本格焼豚 スライス         120G

50.日ハム おべんとうなかま のりまきチキン 190G


といった状況だが、この中の豚肉の傾向としては、焼き豚が圧倒的に多いことがよくわかる。ランキングに入っている製品のアピールを見てみると、焼き方を訴えたものと、原料の品質を訴えたものに分けられる。焼き方としては、本格強火焼、直火あぶり焼豚、本格直火焼網焼き焼豚、焼豚 ローストポーク。原料品質では、黒豚 焼豚、がある。

豚肉の調理の人気として、米国では数年前から「あぶり焼き」が人気になっている。最初はチキンから始まったようで「ロティサリー・チキン」として急速に人気が出て来た。

ロティサリーとは「あぶり焼き」のことで、大分昔から家庭用のロティサリーという簡単な調理器具が売られており、この調理が最近になって人気になってきた。この家庭用のロティサリー器は、簡単なモーターで肉を回しながら、付属の単純な熱線ヒーターで焼くようになっている。2〜3キロの肉ならば1〜2時間もあれば焼ける。肉の中心に心棒を通して両端を止め、モーターにつなげて、台所の横やパーティー会場にそのまま置いておけば、ゆっくりと回りながらロースとされる。

ロティサリーがいいのは、肉の脂肪を落としながら焼くことで、余分な脂肪分を取らずに、ヘルシーな調理ができる点である。このヘルシーさが受けて何十年もの間米国の家庭で親しまれてきたのが、最近の調理済み、惣菜のブームで、調理済みの製品としてヒットしたのである。

日本にこれが入ってきて、ファーストフードで「ロティサリーチキン」として販売され出したが、それが食肉加工品として豚肉でも出て来たわけである。ネーミングとしてはわかりやすい「あぶり焼き」にし、高級なイメージも出た。

肉の調理で最も経済的なのはスープで、肉の養分をすべて食べれるのだから、これほど効率のいいものはない。これに対して、最もぜいたくなのは「直火焼き」「炭火焼き」「網焼」など、脂肪を落として焼くメニューである。歩留まりが悪いし、重量も減ってしまう。しかし、イメージは、手づくり、ヘルシー、高級料理、職人の調理、といった感覚があり、今後もこの流れは続いてゆくだろう。

本来肉のおいしさは脂肪なのだが、カロリーの取り過ぎやコレステロールの面で、脂肪を落としてしまうのは、アフリカの飢餓地帯などからすれば、肉の栄養をわざわざ捨てるのだから、とんでもないことなのだが、仕方がない、それで日本では売れるのだから。


このような「焼く」調理は、脂肪が落ちてヘルシーにはいいのだが、下手に調理をすると、肉の旨味である「肉汁」までも落してしまうので注意が必要である。家庭で焼き肉をホットプレートで焼くと、肉や野菜を一気に置いてしまうことが多いために、肉が焼ける前に肉汁が出てしまって、グチャっとした焼き上がりになってしまう。ぱりっと焼かれて焦げ目が付いている、という状態ではなくて、半分煮たような状態になってしまうことが多い。この状態は、ホットプレートの温度があまり高くないし、そのうえに肉や野菜を一気に乗せて更にホットプレートの温度を下げてしまうからこうなってしまうのである。

これに対して、炭火で提供してくれる焼き肉レストランなどでは、肉の表面が炭火でかたまり、中の肉汁を閉じ込めてくれ、更に表面に余分な脂肪があればそれを焼き落してくれる。理想的な焼き具合になる。

炭火のよさは「遠火の強火」であり、遠赤外線で肉の中に良く火が通ることである。これを豚肉の加工品にうまく使うために、遠赤外線を利用したオーブンであるとか、コンベクションオーブンでも、スチームを一緒に使えるスチームコンベクションオーブンなど、最近の調理システムは良く出来ているものが出て来ている。

手づくりの豚肉調理品を作る場合だが、あぶり焼き製品を作るならば、それこそ本当に炭で手焼きにし、それを出荷したらいい。炭で焼いた調理は、炭のフレーバーがかなりの時間残っていて、オーブンで焼いたものとはとても比較にならない。著者がよく行く居酒屋で、いつも帰るときにこの店の「焼き鳥」をお土産に持って帰るが、翌日の夕食まで炭火のフレーバーがしっかりと残っている。肉そのものもいいのだが、再加熱しても肉が軟らかいままで、味も全く逃げていない。こういった豚肉加工品を手づくりで作り、限定量製造するのも、手づくり豚肉加工メーカーの一つの方向であろう。


鶏卵肉情報センター「養豚情報」97/10月号より
Comments