フォーム(泡)洗浄が少しずつ使われ始めている。洗浄泡を噴霧して、汚れを浮かせてから必要個所にブラシを使い、水で洗い流す。目に見えないゴミやこびり付いた脂肪もきれいになる。

ある食肉と魚を加工しているセンターでは、毎日作業が終了すると、水道の蛇口からホースを洗剤が入ったビールピッチャーぐらいのタンクに接続する。水道の元栓を開けてからタンクの取っ手を握ると、水と洗剤が適度に混合した泡が飛び出す。泡の出る大きな水鉄砲のようになるので、その泡を壁の腰位置から下、床、そして食品機械に振りかける。作業室中が泡だらけになる。端までかけると最初にかけたところは少し時間が経っているので、泡が汚れを取り出している。そこで、汚れのひどいスライサーやミキサーの回り、カット作業台の下などはデッキブラシでこする。最近ポリッシャーというモーター回転ブラシを購入したので、これも併用すると早い。

食品機械類はそれぞれの場所に応じたブラシがあり、隅々まで洗う。壁床と食品機械類は別の洗剤を使うことも出来る。全ての泡洗浄が終わったら、洗剤のタンクを取り外して、シャワーノズルに変える。
自動車を洗車するシャワーノズルは、ノズルの手前を回して調整をすると、拡散のシャワーになったり、絞り込んだ圧力の高い水流にしたりとすぐに変えられる。これで高い位置から泡を流していく。人ならば頭から流せば一気に泡を流すのと同じだ。壁の高い位置から床に向かい、そこから床の傾斜の高いほうから排水溝に向かって流して行く。壁などは拡散シャワーで、壁と床の境目の幅木部分とか、食品機械の裏側、棚などの下の部分は絞り込んだノズルで強力に水を当てるとゴミも汚れも一気に流れ出てくる。
排水溝だが、壁際にあるものは蓋を取り外している。壁側なら人が落ちたりする危険が無いので、蓋を取り外すことが出来。蓋が無ければ清掃するものが少なくなるし、排水溝内の清掃も楽だからだ。作業場の中にある排水溝の蓋は、洗浄する前に外して床に裏返しにして置いておく。泡を乗せた後、ブラッシングの時にこの蓋も一緒に洗ってしまうのだ。
泡を流してしまったら、ぴかぴかにきれいになっているので、後はワイパーを使って水切りをする。排水溝の蓋は元に戻さず、戻す位置の近くに立てかけておく。こうすると乾燥が早いのと、翌朝、清掃のチェックがやりやすいからだ。ATP測定器で検査することもあるが、この場合にもやりやすい。
食品機械には分解洗浄をするものが多いが、これはシンクに持って行って洗浄したら、機械に戻さないで、バットなどに入れて冷蔵庫に入れておく。わずかにバクテリアが残っていても増殖しない。翌朝良く冷えた部品を使用開始前に機械に戻して組み立てて使い出す。ひき肉に使うチョッパーなどはこうするのが一番肉良いのだ。
水切りをしたら、業務用の扇風機を首振りにして動かして帰る。最初は水切りをした後そのまま帰ったのだが、翌朝湿度の測定をし始めたら43%以下になっていなかったので、5千円でおつりが来た扇風機をかけっぱなしで帰っていた。すごい効果で喜んだのだが、湿度が適当に下がったらタイマーで止めてしまったら、という電気代節約案が出たので、今では3時間動かしてから止まるようにセットしてある。一緒に動かしている除湿機は、24時間動かしっぱなしだ。家庭用で十分な能力があり、電気代はたいしたことはない。
作業場は毎日だが、冷蔵庫は毎週1回、原材料と作業が少ない木曜日に行なう。冷蔵庫内の物は全てキャスターに乗せて置いてあるので、まず半分をいったん外に出し、その部分の洗浄をしてから、残りの半分を移動して行ない、終わったら元に戻す。短時間で済むので問題無い。

整理整頓清掃洗浄がまともに行なえなくて、どうしようと悩んでいる食品施設は多いと思う。そのようなところがこの泡洗浄の方式を見たら、ウチでは作業場内に段ボールなど泡がかかって困るものがいくらでもあるし、機械の隅や棚の下などもいっぱいだから、とてもではないが出来ない、となるかも知れない。そう、そこが問題なのだ。泡洗浄が出来ない状態そのものが、作業場を汚く混乱させているのだ。
今回の事例の工場でも、最初は混乱状態だったが、不要なものを出し、必要なものを最も良い場所に定位置管理し、床から全てのものを離す活動を行なっていった結果、作業場の端に寝っ転がったら床の彼方に全ての壁が見通せるようになった。これそのものが成功で、ここに泡洗浄システムを入れたら、時間コストも含めた最高効率のサニテーションが出来るようになっていたのである。
泡洗浄を始める前提で、作業場内の「5S」をやったらどうだろうか。泡洗浄が出来るようになったら、成功なのである。
この簡単な泡洗浄タンクと洗剤は、洗剤メーカーや衛生資材販売会社に問い合わせれば大体のところにある。大型工場用のシステムももちろんある。05/02原稿